千賀、志願の続投で134球 意地のエース「次で取り返したい」

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク1-3ロッテ(14日、ペイペイドーム)

 ソフトバンクの千賀滉大投手(28)が首位ロッテとの本拠地第1ラウンドで後半戦初黒星を喫した。自身初となる2試合連続の中5日先発で7回まで3安打1失点と踏ん張ったが、100球を超えて続投した8回に2失点。自己最多タイの14奪三振も及ばず、牧原大の初回先頭打者アーチによる1点に終わった貧打線に見殺しにされた。今季最大だった首位との差は7・5ゲームに広がり、自力優勝の可能性が再び消えた。

 同点の8回2死満塁。全身全霊を込めた千賀の126球目はレアードに打ち返された。カットボールを捉えた二遊間の打球を二塁の三森が飛び付いて好捕したものの一塁送球は間に合わず、適時内野安打で2者が生還。喜ぶロッテナインを横目に唇をかみしめた。

 7回終了時で球数は103球。11年目で自身初となる2試合連続の中5日先発を考慮して、最近2度の登板はともに100球未満でマウンドを譲ったが、今回は工藤監督に「問題なくいけます」と続投を志願。だからこそ、踏ん張りきれなかった悔しさをマウンドで押し殺すしかなかった。

 7月6日の前回対戦では左足首の靱帯(じんたい)損傷から復帰直後で、3回途中10失点と屈辱を味わった。今回は負ければ再び自力優勝の可能性が消滅する一戦。「絶対勝つだけ。何も考えていない」。多くを語らず、苦境に苦しむチームを背中で引っ張った。

 立ち上がりから圧倒的な力の投球を見せた。初回から三振の山を築き、3回まで無安打無失点で6奪三振の力投。4回2死三塁で角中にフォークを左前への同点打とされたが、引きずることはない。連続での中5日の疲れも見せず、中盤以降はさらにギアを上げた。

 6回に先頭の高部から空振り三振を奪い、通算30度目で今季初となる1試合2桁奪三振をマーク。その後も最速159キロを計測した直球は衰えを見せず、自己最多タイの14奪三振。今季最長の8回、同最多の134球に込めた誇りは、工藤監督の心も震わせた。

 「『自分の気持ちを込めたボールをしっかり投げるんだ』という意思を感じた。『何としてもゼロで抑えるんだ』という思いも感じた。ナイスピッチングだった」。後半戦初黒星となる今季2敗目。チームの連敗も止められなかった右腕への賛辞が次々と並んだ。

 今季最大だった首位との差は7・5ゲームまで拡大。千賀が前回登板で勝利を挙げた8日に復活した自力優勝の可能性は再び消滅した。「次の登板で取り返したい」。思いは工藤監督も同じだ。「このゲーム差がもう優勝に届かないかといえば、そんなことはない。まだまだ逆転のチャンスもある。これからがホークスの本当の戦い」。残り31試合で王者の底力を見せる。(長浜幸治)

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◆ロッテとの残り8試合全勝しても届かず

 ソフトバンクの自力優勝の可能性が再び消えた。ソフトバンクは残り31試合に全勝した場合、77勝48敗18分けの勝率6割1分6厘。ロッテは残り34試合でソフトバンクとの残り8試合に全敗しても他球団との残り26試合を全勝すれば、79勝48敗16分けの同6割2分2厘でソフトバンクを上回る。

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