栗原逆転弾のソフトバンクが「いつもの自分たちに戻れる」勝利 11年ぶりのマー君撃ちが「何よりの薬」に

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆楽天4-5ソフトバンク(19日、楽天生命パーク宮城)

 マー君を11年ぶりに破って、長いトンネルを抜け出した。ソフトバンクが栗原陵矢捕手(25)の15号2ランなどで逆転勝ち。楽天先発の田中将に2010年4月以来となるホークス戦での黒星をつけた。1分けを挟んで5連敗中だった4位のチームにとって、12日ぶりの勝利。3位楽天に3ゲーム差と接近だ。22日からは首位ロッテと2連戦。モイネロ、森で締めた勝利で勢いをつけて、敵地千葉に乗り込む。

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 球界の至宝をついに打ち砕いた。1点ビハインドの5回2死一塁。栗原が田中将の初球を振り抜いた。膝元への145キロを右翼スタンドへ。15号逆転2ランで、2010年8月から9連敗中だった天敵に土をつけ、チームに12日ぶりの勝利をもたらした。

 個人的な感情よりも、飢えていた歓喜が上回る。「勝てたのが一番。勝てて良かった」。負ければ楽天とは5ゲーム差となり、CS進出も極めて厳しくなる状況下で値千金の一発。今季ワーストタイの連敗を止めたヒーローは胸をなで下ろした。

 田中将にチームは苦しめられ続けたが、7年目の栗原は「僕はあんまり分からない」。当然だ。相手は昨季まで7年間、米大リーグ、ヤンキースの主戦。ともに金メダルを手にした東京五輪では、福島からのバス移動で疲労を軽減させるクッションを他の選手のために用意する大先輩の一流の振る舞いも目の当たりにした。ただ過去の対戦は今年7月13日(ペイペイドーム)の1度だけ。余計なイメージを持つことなく、通算6打席目にして大仕事をやってのけた。

 打線改造が功を奏した。逆転のきっかけをつくったのは昨年10月6日の西武戦(メットライフドーム)以来の2番で起用された川瀬。5回2死から左前打を放った。「2アウトから晃(川瀬)がヒットで出塁してくれたので、何とかしたいという気持ちだった」と栗原が言えば、工藤監督も「2死からでも点を取る強い姿勢が大事になってくる。褒めてくださいよ」とたたえた。

 中村晃と今宮がスタメンから外れた打線で中軸も変わった。3番栗原、4番柳田の並びは、6月20日の日本ハム戦(ペイペイドーム)以来。3点を追う4回は柳田が中前打で出塁した直後、デスパイネの2ランで反撃。主軸で得点を重ね、終盤はモイネロ、森の2人につなぐ理想の勝ち方で長いトンネルを脱した。

 「こうやって抑えて勝っていくと、いつもの自分たちに戻れるのかなと思う。何よりの薬は勝つこと」。工藤監督の表情は晴れやかだ。昨季レギュラーの座をつかんだ栗原にとって、主力の一人として戦う今季はのしかかる重圧も当然変わっている。「もう勝つしかないので、僕たちは。それだけを考えてやっていきます」。22日からは首位ロッテとの2連戦。窮地を救った25歳は力を込めた。(鎌田真一郎)

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◆前回勝利は劇的サヨナラ勝ち

 ソフトバンクが田中将に黒星を付けたのは、1-0でサヨナラ勝ちした2010年4月18日(ヤフードーム、現ペイペイドーム)以来。この試合は8回まで4安打無得点に抑えられたが、投手陣が大隣、摂津のリレーで9回まで無失点。9回の攻撃は2四球などで2死一、二塁として、松田が田中将の変化球を左中間に運んでプロ初のサヨナラ打とした。この年は田中将と3度対戦して、ソフトバンクの2勝1敗。田中将は全て完投で、対戦防御率は1.01だった。

2010年4月19日付1面

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