好投報われなくても「野球の面白み」マルティネス後半戦初星を呼んだ心構え

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ロッテ0-5ソフトバンク(23日、ZOZOマリンスタジアム)

 魂の投球で、マルティネスがロッテ打線を封じ込めた。藤岡に左前打、代打佐藤都に四球を与えた5回無死一、二塁。好調の1番荻野はチェンジアップで二飛に打ち取り、藤原はカットボールで二直に仕留めると、最後は中村奨を再びチェンジアップで三ゴロに片付けて無失点。相手の反撃の芽を摘んだ。

 走者を背負っても、要所での快音は絶対に許さなかった。7回を被安打5の無失点。三塁も踏ませず「チームが勝つことが、この時期一番大切なこと。ましてや相手は首位のチーム。そこに勝ったことが全て」。リーグ屈指の安定感を存分に示した頼れる右腕は、前半だった7月10日のオリックス戦(ペイペイドーム)以来の白星でチームトップの今季8勝目をマークだ。

 後半戦はこの試合まで5戦白星なし。援護に恵まれなかったが崩れることはなかった。今季は17試合中16試合でクオリティースタート(QS、先発で6回以上、自責点3以下)。14試合連続ともなって、達成率はオリックス山本を上回る94・1%を誇る。防御率も1・75だ。

 ただ、そうした数字をマルティネスが意に介することはない。「個人としては自分の数字は見ていないし、気にもしていない。一球一球、魂を込めて投げているだけ。そうしてチームが勝つチャンスをつくることが自分の仕事」と言い切る。なかなか自身に勝利が付かなかったことについても「ある意味、野球の面白みでもある」と真顔で言い切る男だ。

 中5日の登板も含め、仲間のために懸命に腕を振り続けてきた。試合前に工藤監督が「何が何でも白星を付けてあげたい」とナインの思いを代弁するほど分厚い信頼を受ける。そんなマルティネスに待望の白星がつく形でチームはロッテを連破し3連勝。上昇気流が少しずつ強まる中、右腕は「(優勝は)諦めてはいない」と頼もしい。チームのため、上だけを見据え、マウンドに立ち続ける。(山田孝人)

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