SH争い激化必至、流、斉藤、茂野、荒井 ラグビーW杯後初のテストマッチへ日本代表の狙いを藤井ディレクターが語る

西日本スポーツ 大窪 正一

 ラグビーの日本代表候補は11月の欧州遠征を見据えて9月29日から強化合宿に入る。10月16日までは宮崎市、その後人数を絞って大分県別府市で27日まで続ける。期間中の23日には昭和電工ドーム大分でオーストラリア代表とも対戦する。代表強化を担当する日本ラグビー協会の藤井雄一郎ディレクターが西日本スポーツのオンラインでの単独取材に応じ、コロナ禍の中、九州を強化拠点に選んだ理由や九州ゆかりの選手について語った。(取材・構成=大窪正一)

宮崎と大分で合宿

 -九州で強化することになった理由は。

 「当初は暑さを考えて北海道も選択肢にあった。だが厳しい環境でやったほうが強化につながると総合的に判断し、宮崎と大分に決まった」

 -宮崎では長年合宿している。

 「コロナ禍の影響で当初より2週間合宿の日程が後ろになった。時間が少ない分、慣れた環境でやりたかった。現地の協力も毎回すばらしい。コロナ禍なので、けがした場合の病院が確保しにくい面もある。その点がクリアできたことも大きい」

 -別府は2年前のワールドカップ(W杯)日本大会でニュージーランドなどの強豪のキャンプ地に選ばれた。抜群の施設だけでなく、リラックスできる温泉もある。

 「別府も同じように親身な協力があり、過ごしやすい。九州は天候にあまり左右されない点も含め、総合的に強化に適している環境だ」

 -宮崎、別府での強化のテーマは?

 「宮崎はフィットネスなど基礎的な部分を鍛える。(メンバーを絞って)別府に入ってからはワラビーズ(オーストラリア代表の愛称)とどう戦っていくか、具体的な落とし込みに入る」

 -コロナ禍の強化で苦労している点は?

 「試合ができないのが一番頭が痛い。例えばオーストラリアは国内リーグができているし、国際大会もできている。正直、実戦勘の面などかなりの差があるのではないか。現状は手探りの状態。2年後のW杯を見据え、今回は強豪との差がどれぐらいあるのかようやく分かってくるのではないか」

 -オーストラリア戦はW杯後初の国内でのテストマッチとなる。位置づけは?

 「オーストラリアがターゲットというよりも、欧州遠征の準備の試合になる。もちろん全力で勝ちにいく。何人かは新しい選手が起用されるかもしれないがベストメンバーで臨む。ここで出た課題をどこまで修正できるか。それが欧州遠征で勝つ鍵になる」

ハイレベルなSH

 -ランキングで格下のポルトガル戦は?

 「ある程度、経験を積ませることに主眼を置いた選手起用になるのではないか」

 -九州ゆかりの選手は5人が入り、熊本・荒尾高(現岱志高)出身のSH流が復帰した。

 「SHはレベルの高い選手が多い。その中でもやはり経験は流が一番ある。束ねる力、パス出しのスピード、どの試合でも力を出し切れる安定感がある。(6、7月の欧州遠征で活躍した)斎藤とやりあうのではないか」

 -佐賀工高出身のSH荒井はどうか?

 「体が大きくスピードがあり、球出しもいい。そつなくこなせる」

 -プロップには大分・日本文理大付高出身の具智元と東福岡高出身の垣永がいる。

 「具は持ち味のスクラムの強さなど世界レベルの選手。同じポジションの他の選手と比べて突出している。垣永は明るいキャラクターもいい。強みのフィールドプレーだけでなく全体的に向上している。争いにギリギリ食い下がってくるのではないか」

 -鹿児島実高出身のCTB中村は近年飛躍的に成長した。

 「日本人CTBでは彼の代わりがいないぐらいタフ。リーダーシップもあり、まだまだいけるのではないか。辛抱して使い続けた結果が今につながっている。スキルも高く、日本人特有の長所を持ち合わせている」

 -代表候補とは別に、若手の育成を目的として「ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)」という枠を設けた。東福岡高出身のフランカー、ナンバー8福井や福岡・東筑高出身のWTB中野ら5人が合宿で代表候補と同じメニューをこなす。

 「本来はNDSだけで合宿できればいい。徐々に人数を増やしていければ。代表候補と一緒に練習することが自らの成長にとってどれだけ貴重か感じてもらいたい」

 -日本代表の試合を待ち望むファンに一言。

 「コロナ禍でなければもっと多くの試合を国内で見てもらえるチャンスがあった。ようやくW杯後、初めて国内でテストマッチができることになった。これが2試合、3試合と増やしていければ。ファンの後押しが間違いなく代表を強くする。引き続き応援をお願いいたします」

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