指導(王会長+小久保ヘッド+長谷川)+見守る孫オーナー=22歳リチャードV弾

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク4-1日本ハム(26日、ペイペイドーム)

 この男、やはり何かを持っているようだ。ソフトバンクがリチャード(22)の勝ち越し5号ソロで借金を完済した。前日は初のベンチ外となり、試合前に王球団会長から熱血指導を受けた大砲候補が速攻で期待に応えた。孫オーナーも見守る中、同点の7回に詰まりながらも左翼テラス席にボールを運ぶと、8回には犠飛でダメを押した。3位楽天とは1・5差。ラッキーボーイの活躍はチームをさらに勢いづける。

   ◇   ◇

 「お勉強中」のリチャードには、たくさんの先生がいる。1-1の7回。打席に向かう前、小久保ヘッドコーチから教えてもらった。「1、2打席目を踏まえて、こうなると思うとヒントを言われて。あとは打席でのお楽しみと」。詳細は「企業秘密」と伏せたが「考え方をインプットしたら、本当に良い結果になった」。

 2球目のスライダーを詰まりながら振り抜いた。「もう少し飛んでると思って走ったけど」。5号ソロが左翼テラス席に届くと、ベンチも総立ち。22歳の大砲は何度も手を突き上げ、ダイヤモンドを回った。11日以来の勝率5割、そして3位楽天に1・5差と迫る勝利に貢献したヒーローは言った。

 「きょうはいろんな人のホームランです。自分のホームランじゃないですね」

 前日25日の試合前、マネジャーから「リッチー、きょう上がりだから」と告げられた。2日の1軍昇格以来、初めてベンチ入りメンバーを外れた。「何をしていいか分からなかった」と戸惑う4年目は2軍時代に師事していた長谷川に過ごし方を尋ねた。「試合を見て勉強だよ」。ウエートトレーニングをしながらも、テレビにくぎ付けになると考えが整理された。

 まずはベンチ外となった理由。「足や守備は使えない。だから、バッティングをもっとがんばらないといけないんだ」。客観的にもなれた。「この中で自分はプレーしているのか」。4年連続日本一を成し遂げたチームの一員としてプレーしている自覚を新たにした。

 26日の試合前には、王球団会長から身ぶり手ぶりで指導され、アドバイスも授かった。現役時代は真剣で落ちてくる半紙を切っていた世界のホームラン王から「バットでボールの中身を切るイメージ」と伝えられた。「練習でやると『映えない』」と練習でフルスイングしながら、試合では居合を意識したという。

 8回にも犠飛でダメを押した4年目は試合後に整列したとき、視線の先に孫オーナーの姿を捉えた。グータッチをする際「ナイスホームラン」と声を掛けられた。「初めて見ました。めっちゃ優しそうでした。名前、覚えてもらったらうれしいです」。周りが放っておかない大砲候補の初の“御前弾”。無邪気な笑みがはじけた。(鎌田真一郎)

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