自ら決めた「勝負の年」苦しんでたどり着いた300号 松田宣浩が恩師に打ち明けた本音

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク9-0西武(29日、ペイペイドーム)

 「熱男」がついにメモリアル弾! ソフトバンク一筋16年目の松田宣浩内野手(38)が史上44人目、球団では5人目の通算300本塁打を放った。チームを常に盛り上げるベテランに勢いを得たチームは、ともに5月以来となる今季最長タイの4連勝&月間勝ち越し。Aクラス浮上は逃したものの、首位ロッテとは5ゲーム差となり、またじわりと接近した。秋の大逆襲を見せる王者の視界に「頂点」が見えてきた。

苦しみの末

 鷹一筋16年目の松田にとって7421打席目だった。3点リードの3回2死二塁、1ボールから左腕浜屋の外角高め直球を振り切った打球が左翼テラス席に飛び込んだ。今季13号2ランは節目の通算300号。ダイヤモンドを1周し、カメラマン席の前でお決まりの「熱男」ポーズだ。右手の指で「3」「0」「0」をつくり、メモリアル弾を自ら祝った。

 王手をかけてから13試合目での到達。「まだまだ通過点ではあるけど、300本はやっぱり誰でも打てる本数じゃないと思うし、打ててよかった」。プロ野球44人目の大記録。球団では野村克也、門田博光、松中信彦小久保裕紀(現ヘッドコーチ)に続いて5人目だ。150、200、250、そして300号をいずれも本拠地で放った。「節目をドームで打てているというのも自分らしいかな」と笑った。

 36歳シーズンで30本塁打を記録した2019年を終え、300号まで残り26本。そこからが長かった。20年はレギュラー獲得後では最低の打率2割2分8厘に終わり、本塁打も13本止まり。9月10日の楽天戦(楽天生命パーク宮城)では出場機会がなく、14年8月26日からの連続試合出場は815で途絶えた。

恩師の助言

 「勝負の年」と位置づけた今季も開幕スタメンこそ守ったものの、打撃不振からベンチを温める日も増えた。9月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)で299号を放ったが、翌12日の同カードではスタメン落ち。「前半戦に自分の結果が出なかっただけのこと。後半戦もしょうがないなと思って今年はやっている」と割り切ったが、恩師には本心を打ち明けていた。

 連絡を取ったのは岐阜・中京高時代に監督として指導を受けた小嶋雅人さん(63)。師は「もんもんとしていた。こういうのは誰もが通る道。キャリアの終盤はどんな選手もそういうことになるからと伝えた」と振り返る。苦しみの末に築いた教え子の記録に「本人が努力した結果。よく頑張った」と拍手を送った。

 チームは3カード連続で勝ち越し、5月以来となる今季最長の4連勝。やはり5月以来4カ月ぶりの月間勝ち越しも決めた。首位と5ゲーム差まで近づいたのは9月10日の4・5差以来。大逆転へ、松田はナインの思いを代弁した。「順位が決まるまで僕たちは諦めることはできない。現状はまだ4位だけど、どう転ぶかも分からないんで」。ここ8試合は7勝1敗。いよいよ、王者のエンジンがかかった。(長浜幸治)

 ◆亜大・生田勉監督(松田の大学時代の恩師)「大学からプロ入りし、結果が出ず苦しい時期を知っているので、これだけの素晴らしい記録を残し、誇りに思う。明るいキャラクターでホークスを愛していると思うので、このキャラクターで最後まで頑張りぬいてもらいたい」

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ