冨安健洋「これまでと明らかに違う数の打撲がある」新天地アーセナルでの日々を激白

西日本スポーツ

 サッカー日本代表DFで、イングランド・プレミアリーグのアーセナルに移籍した冨安健洋。福岡で生まれ育ち、アビスパ福岡で土台を築き、活躍の場を海外に広げた。これまで歩んできた道を振り返りながら、現在の考えや未来、理想などをコラム「僕の生きる道」につづる。

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 約3カ月、このコラムから離れている間に大きな変化がありました。東京五輪を終え、プレミアリーグのアーセナルに移籍することになりました。皆さんに報告させていただくとともに、アーセナルというクラブについて初めてお伝えしたいと思います。

 今、自分の体にはこれまでと明らかに違う数の打撲があります。現代サッカーで世界最高峰といわれるプレミアリーグの激しさを物語るものですが、気持ちは充実感でいっぱい。世界的なビッグクラブでプレーできていることが本当に幸せです。満員のサポーターがつくり出す雰囲気は今まで感じたことがないものがあり、僕たち選手を後押ししてくれます。

 移籍初戦(9月11日のノリッジ戦)はチームが開幕3連敗した後の試合を1-0で勝つことができました。自分にとっても大事な試合でしたが、いろいろ考えすぎると体が自然に動かない。監督やスタッフから「何も考えず、思い切ってやっていい」と言ってもらえたことも大きかったですね。

 チームのやり方は戦術的で論理的。ボールの動かし方もデータや根拠に基づいている。右サイドバックとしてのセオリーもあります。それでも強調されるのは戦術が全てじゃないということ。「ピッチに入ったら、選手が決めるんだ」と常に言われています。

 イタリアでは、どちらかといえば決められた戦術を全うすることを求められた。それでは選手としての成長はないという思いもありました。まだまだ試合を楽しむ余裕はないけど、このリーグで、自分で考えながらプレーできていることは貴重な経験になります。

 チームの指揮を執るアルテタ監督は団結や一体感を重視しています。いいプレーには選手同士で拍手を送ったり、ミスしてもポジティブな声掛けやアクションをしたりすることを求めます。試合後は「どうだったか、楽しめたか」と声を掛けてくれて、すごく愛を感じるし、人間的にも尊敬できる監督です。全ての選手が同じように感じていると思います。

 歴史と伝統を誇るアーセナルは過去に欧州各国のトップクラブが出場する欧州チャンピオンズリーグ(CL)で、常に上位に入っていました。近年は苦しんでいるし、今年もCLには出られない。それでもチームメートはサッカーIQ(頭脳)が高い選手ばかり。彼らとともに、クラブが元の場所に戻るための力になりたいです。

 この環境でプレーを続けることで、厳しいワールドカップ(W杯)アジア最終予選を戦っている日本代表に還元できることもあるでしょう。もちろん、アーセナルでのプレーで表現しなければ説得力はないので、この先の試合でもやるべきことをやって、勝利に貢献したいと思っています。

 そういえば、ロッカールームに今まで所属した欧州のクラブにはないものが置いてあります。それは靴箱です。アーセナルはJリーグの名古屋で監督を務めた経験があるアーセン・ベンゲルさんが長く指揮を執っていました。日本から持ち込んだようなのですが、僕にとっては、このクラブを居心地良く感じる一つの理由かもしれません。(サッカー日本代表、アーセナル)

 ◆冨安健洋(とみやす・たけひろ)1998年11月5日生まれ。福岡市出身。三筑キッカーズからアビスパ福岡の下部組織へ。2015年にトップチームに2種登録され、16年に昇格。18年1月にベルギー・シントトロイデンに移籍。19年7月からボローニャ。今年8月にアーセナルへ移籍。187㌢、84㌔。

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