育成のソフトバンクが描くグローバル戦略 中南米を注視、3軍制も拡充

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ソフトバンクが中南米の有望株を自前で育成するグローバル戦略に乗り出す。4日、ドミニカ共和国とメキシコ出身の3選手と育成契約したことを発表し、三笠杉彦ゼネラルマネジャー(47)がオンラインで取材に対応。補強のターゲットとして、これまで多くの選手を獲得してきたキューバだけでなく、米大リーグ各球団が注視する中南米にも熱い視線を注いでいく意向を明かした。併せて3軍の体制を見直すとともに、育成選手を一流選手に育て上げたシステムやノウハウを活用。その新たな拠点となるのが「筑後アカデミー」だ。

育成“新章”

 選手の育成という大きなテーマに向けて新たなステージに足を踏み入れる。3人の外国人選手を獲得した狙いについて、三笠ゼネラルマネジャー(GM)は「有望な外国人も、ホークスの土壌で育てることにチャレンジしたい」とプランを語った。

 これまで、日本代表の常連となった千賀や甲斐を筆頭に、昨季の盗塁王周東、売り出し中の大砲候補のリチャードら、育成選手で獲得した個性ある才能を貴重な戦力として育て上げてきた。今回、三笠GMが「(将来的には)メジャー球団との契約を考えている選手」と説明する有能な3人も、球団独自の育成システムで才能を磨いていく方針だ。

 獲得が決まった3選手は16歳、17歳、21歳という若手ばかり。三笠GMは「メジャーを見ても中南米選手との契約は低年齢化している。それに倣うというか、対抗しての獲得になった」と力を込めた。長期的な視点での獲得であることが前提で、出身地にも大きな特徴がある。

 近年はデスパイネやモイネロ、グラシアルといった「キューバルート」で獲得した優良外国人が、投打で重責を担ってきた。一方で昨年はコラス、今年はロドリゲスが“亡命”する事態にも陥った。豊かな才能の発掘とともに、一つの地域に依存することのリスク管理も視野に入れて中南米へターゲットを広げる。

 過去には、広島が1990年にドミニカ共和国に「カープアカデミー」を設立した。そこで発掘された代表格がヤンキースなどで活躍し米大リーグ通算2095安打を放ったアルフォンソ・ソリアーノだ。ソフトバンク版アカデミーでは日本に拠点を置き、原石を磨き上げる。

 その方針に伴い、3軍制の充実も図る。育成選手や入団1、2年目の選手が主に出場する3軍の試合数について、これまでの年間80試合から140試合程度まで増やす。対戦相手は、堀江貴文氏が北九州市に設立した「福岡北九州フェニックス」が加盟する独立リーグ・ヤマエ久野九州アジアリーグの各球団も見込んでいる。

 現在は70人の支配下選手と、育成選手を合わせて90人規模の選手数も、三笠GMは「100人を超える所帯にしたい」と説明。11日に行われるドラフト会議でも、育成選手を積極的に指名する方針だ。今季は5年連続日本一という目標が苦しい状況となっているが、あきらめない戦いと並行しながら、育成のトップランナーとして新たな道を切り開く。(鎌田真一郎)

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