「修業が足りない」に凝縮された野球感 引退ソフトバンク長谷川の切れ味鋭い言葉の数々

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ホークス一筋15年の打撃職人がバットを置く-。ソフトバンクは8日、長谷川勇也外野手(36)が今季限りで現役引退すると発表した。9日に引退会見を開く。大学・社会人ドラフト5巡目で2007年に入団し、13年には首位打者と最多安打の打撃2冠を獲得。14年のシーズン終盤に右足首を痛めて以降は、2度手術した右足首の古傷や故障とも闘いながら卓越した打撃技術で常勝時代を支えた。

 若手への苦言も率直に口にできる希少な存在だった。「のんびりしているなと。結果が駄目ならユニホームを脱がされるという危機感が常にあるかどうか」。野球に打ち込む姿勢が説得力を生んだ。感情が抑えきれず道具に八つ当たりした際に発した「修業が足りない」という言葉には長谷川の野球観が集約されていたように感じた。

 売り出し中のリチャードがバットの先を相手投手に突き出して目付けの確認をするのも、長谷川の影響からだ。孤高の雰囲気を醸し出しながら後輩からも慕われていた。「年を取っていろいろガタがきているが、バットはさびることなく、鋭さを増している」。生え抜きの36歳の言葉は打撃とともに切れ味も抜群だった。

 代打起用が増えた現役終盤は、より「道」を究める求道者としての色が濃くなった。「1打数1安打は究極。打てなかったら崖から落ちるぐらいの崖っぷち。だからこそ打撃の質を高め、研ぎ澄ましている」。潔い引き際も、技を磨き続けた打撃職人らしかった。(ソフトバンク担当・鎌田真一郎)

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