「僕は198本しか打ってない」引退の長谷川勇也が抱く夢

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ソフトバンクの長谷川勇也外野手(36)が9日、ペイペイドーム内で引退会見を行った。2013年に球団記録の198安打を放ち、首位打者と最多安打の2冠に輝いた打撃職人。右足首の故障と長年付き合ってきたプロ野球人生を振り返り、大粒の涙をこぼした。将来的に指導者への転身を希望し、自身が届かなかった200安打を打てる打者を育てることを夢に掲げた。

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 プロ野球人生に悔いは―。そう問われると、長谷川は涙を止められなかった。「悔いはないです、もう。悔いなくユニホームを脱ぎます」。直後に照れ隠しのように「すいません。もう年取って涙腺もばかになっちゃって。だめだ」と笑みを浮かべたが、その後もハンカチを何度も目元にやった。

 痛みに悩まされ続けた右足首はもう限界だった。「足がボロボロになったなと実感したし、それが打撃にまで影響してしまったのが決断に至った大きな理由」。2日に出場選手登録を抹消されてからわずか3日後の5日には球団に今季限りの引退を申し出た。

 7年目の2013年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得。さらなる飛躍を期待されたが、翌年に負った右足首の故障がその後のプロ生活に大きな影を落とした。「初めは『なんでこうなったんだろう』『なんでうまくいかないんだろう』と考えることもあった」

 苦難を恨みそうになりながらも、長谷川は乗り越えた。2度の手術を経て、歯を食いしばりながらグラウンドに立ち続けた。「山あり谷ありしかなかった。でも僕だからこそ、その山を越えて谷も登ってやってこられたのかなと。そこは胸を張って言えます」

 今後については「あまり何も考えてない」としつつ、一つの目標を口にした。「僕は(シーズン安打を)198本しか打っていないんで。200(本)打てるバッターを育てるというか、そういう選手に関わりたいなという夢を持ってます」と。指導者転身の希望を明かした。

 球団は19日のロッテ戦(ペイペイドーム)で引退試合を行う方向で調整している。「最後にファンの皆さんの前で打席に立てるなら中途半端にはしたくない。バチバチに仕上げたい」とトレーニングを続ける。最後の一振りに魂を込める。(長浜幸治)

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