ダルビッシュの助言で現役続行「野球が一番向いてない」元ドラ1右腕が必死にもがいた1年

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ソフトバンクは18日、川原弘之投手(30)、渡辺雄大投手(30)、育成の吉住晴斗投手(21)に来季の契約を結ばないことを伝えた。川原、渡辺雄は現役続行を希望しており、吉住は引退の意向を示した。

 吉住は山形・鶴岡東高からドラフト1位で18年に入団。1軍登板はなく、今季から育成再契約した。「やり残したことはない。プレーヤーとしては野球から離れることになると思う」。サイドスローに転向するなどで再起を図ったが、支配下復帰はかなわなかった。

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 昨年12月、筑後のファーム施設でキャッチボールする吉住の姿を見て思わず声が出た。それまでオーソドックスな上手投げだった投球フォームがサイドスローに変わっていた。ぎこちない動きだったが、表情はこれまでにないほど精悍(せいかん)だった。

 昨オフに戦力外通告を受けた際、かなりの確率で引退するだろうと思っていた。筑後で会うたびに「スポーツの中で野球が一番向いてないっす。普通の会社員とか憧れるんですよね」と話していた。だからこそダルビッシュ(米大リーグ・パドレス)の電話での助言もあって現役続行を決めた時には驚いた。

 覚悟を決めた今年、吉住の変化は大きかった。「不器用なんだよ、あいつは。でも今までより必死にやってるよ」。優しい口ぶりで「成長」を認めたのは斉藤リハビリ担当コーチだった。横手投げ右腕として巨人、西武で活躍した鹿取義隆氏の映像を2人で見ながらフォームを模索するなど、二人三脚で取り組んだ。

 今回の通告後は、どこか晴れやかな表情だった。「1年間やってよかった。自分の中でやり残したことはないと思えたのは、これからにもつながる」。久しぶりに見た柔らかな笑顔だった。(長浜幸治)

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