間の悪くなった記者の取材に…苦労人左腕・渡辺雄は気づかいの人

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ソフトバンクは18日、川原弘之投手(30)、渡辺雄大投手(30)、育成の吉住晴斗投手(21)に来季の契約を結ばないことを伝えた。川原、渡辺雄は現役続行を希望しており、吉住は引退の意向を示した。

 渡辺雄は独立リーグ、ルートインBCリーグ新潟から育成6位で18年に入団。26歳でプロ入りし、20年に支配下登録された。「諦め悪く、やっとつかんだNPBでのプレーだった。自分らしくしがみつきたい」と決意を語った。故障に苦しんだ左腕が戦力外となった背景には、モイネロ、嘉弥真が戦列を離れた際に古谷や大関ら若手左腕が台頭した点も大きい。

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 楽天生命パーク宮城の記者席で青ざめた瞬間があった。2020年9月9日の楽天戦。8回のマウンドに上がった渡辺雄が浅村に四球を与えた直後に顔をゆがめて左肘を押さえた。そのまま緊急降板。そのシーズン最後の登板となった。

 試合当日の朝、プロ初勝利を挙げることを想定して電話で取材していた。終盤戦のハードな日程の合間に応じてくれたことに感謝を告げると「こちらこそありがとうございます」と律義に答えてくれた。偶然とはいえ、取材のタイミングが悪くなったことを申し訳なく感じていた。後日に会った際に「気にしないでください」と言ってくれたことで気持ちが救われた。

 26歳でプロ入りした苦労人。独立リーグ時代はアルバイトで生計を立て、結婚する前の妻とは、ともに働きながら支え合っていた。自分より若い選手に「ナベじい」といじられても「それでコミュニケーションが取れるなら」と笑顔で接した。互いに同じ時期に娘を持ったこともあり、会えば子育て話に花が咲いた。

 できればホークスでプロ初勝利の原稿を書きたかったが、別のチームで活躍する可能性もあるはずだ。またグラウンドで会えることを楽しみにしている。(長浜幸治)

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