千賀 憧れ松坂と、恩人に届ける快投「ポンコツだった僕らの教育係」

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ソフトバンク6-0ロッテ(19日、ペイペイドーム)

 ソフトバンクの千賀滉大投手(28)が「憧れの人」に惜別の快投を贈った。ラスト登板の西武松坂との同日先発で、優勝マジックが点灯しているロッテを7回まで無安打無失点。8回の先頭打者に内野安打を許し、2019年9月6日のロッテ戦以来、自身2度目の快挙は逃したが、今季9勝目をマーク。6年連続の2桁勝利に王手をかけた右腕の白星で、オリックスに敗れた3位楽天との差は3ゲームに縮まった。

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 「憧れの人」という西武松坂の引退試合の日に、千賀はインパクトの大きな花を添えようとした。7回、2死二塁でエチェバリアの二遊間を抜けそうな打球を二塁三森がビッグプレー。剛腕は跳びはね、何度もグラブをたたいた。無安打無失点への期待が膨らんだ。

 かすかにCS進出の望みが残る中「とにかくチームが勝てば良いと思っていた」。8回先頭藤岡の内野安打で2年ぶり2度目の偉業は逃したが、7回0/3を106球で被安打1、無失点。9勝目を挙げ、ホークスの福岡移転後初の6年連続2桁勝利に王手をかけた。

 松坂が横浜高で甲子園春夏連覇を果たした時は5歳。本格的に野球を始めるきっかけの一つとなり、もちろん投球フォームのまねもした。「スーパースター」と表現する右腕のラスト登板は、調整時間と重なり「これからゆっくり見たい」と記憶に刻もうとしていた。

 もう一人、感謝すべき先輩がいた。試合前、グラウンドに響いたのは米国の歌手キアラ・セトルの「ディス・イズ・ミー」。18日に戦力外通告を受けた川原の登場曲だった。入団間もないころに自主練習をともにした1学年上の左腕を、千賀は慕っていた。

 「教育係としてポンコツだった僕らに教えてくれた。川原さんがいて、僕がいる」。自身の節目のウイニングボールには執着のない右腕が「川原さんにボールを渡すことしか考えていなかった」。調子は「今年で一番悪い」と言いながらも7回まで無安打投球を続けた。

 前半戦は左足首の故障などで1勝1敗に終わりながら、後半戦は8勝2敗。この日は、1軍登録日数が8年に達し国内FA権も取得し「サポートしていただいたので周りの方々に感謝したい。権利について、これからしっかり考えていきたい」とコメントした。

 25日のロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)の今季最終戦に中5日で臨む見込み。「今年1年を良い形で終われるように。2桁(のこだわり)は、やっぱりありますよ」。球界に訪れた別れの秋。望みをつないだ6年連続2桁勝利をラストゲームで成し遂げる。(鎌田真一郎)

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