日本の新エース橋本大輝、内村航平の偉大さ身に染みた0・017差銀

西日本スポーツ 末継 智章

 体操の世界選手権(西日本新聞社など協賛)第5日は22日、北九州市立総合体育館で行われ、男子個人総合決勝で、予選を1位通過した20歳の橋本大輝(順大)は6種目合計87・964点で2位となり、今夏の東京五輪に続く金メダル獲得はならなかった。予選2位の張博恒(中国)が87・981点で初優勝し、イリヤ・コフトゥン(ウクライナ)が3位に入った。橋本は2種目目のあん馬で落下したが、つり輪で予選を上回る得点を出して立て直し、跳馬、平行棒も安定した演技をそろえた。張博恒と0・350点差の2位で迎えた最終種目の鉄棒で全体トップの15・133点をマークしたが、わずか0・017点及ばなかった。

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 最後の鉄棒でトップに立つには15・150点が必要だった。東京五輪で金メダルを取った種目別決勝より高いハードルで橋本は割り切った。

 「完璧にやらなければ出せない点で、演技前から負けるかなと思った。最後にやり切れたらいいとベストを出すことだけに集中した」。着地こそ両足が少し斜め前へ出たものの15・133点。0・017点差の惜敗に「悔しさは1、2(割)ぐらい。彼がリアルチャンピオンだった」と五輪には出ていなかった1歳上の張博恒をたたえた。

 「世界選手権も勝ってこそ真のチャンピオン」。五輪と世界選手権での個人総合優勝となると、内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=に続いて日本人2人目の快挙だった。だが、五輪で2冠を果たした後、地元などでのセレモニーが続き、大学の大会にも出場。世界選手権に向けて6種目を通した練習が満足にできず「調整力のなさに気付いた」。

 17日の本会場練習で落下した2種目目のあん馬で再び落下。フロアに体をたたきつけられると一瞬、うずくまった。「(内村)航平さんのすごさを感じた」と、どんな状況でも自分の演技を貫き、五輪と世界選手権で計8連覇した「キング」の偉大さが身に染みた。

 それでも、あん馬の直後に迎えた苦手のつり輪で予選や五輪の点数を上回る13・966点を出して立て直し、満席に近い観衆の前で最後まで見せ場はつくった。

 大会前に内村から「僕が成し遂げたことは次の世代、大輝がやってくれる」と託された。「ライバルがいて強くなれる。新たに頑張る理由が見つかった」。23日からの種目別決勝は4種目で進出を決めている。「今できる最大限の演技をしてお客さんに楽しんでもらえたら」。日本の新エースに立ち止まっている時間はない。(末継智章)

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