世界体操で輝く「スペシャリスト」続々輩出する地方大学 なぜ?

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 体操の世界選手権(西日本新聞社など協賛)第6日は23日、北九州市立総合体育館で種目別決勝前半が行われ、男子床運動は初出場で21歳の南一輝(仙台大)が14・766点で銀メダルを獲得した。ニコラ・バルトリニ(イタリア)が14・800点で初優勝した。

 男子あん馬は東京五輪銅メダルの萱和磨(セントラルスポーツ)が14・900点で並んだ翁浩(中国)とともに銀メダルとなり、2015年大会3位以来の表彰台となった。スティーブン・ネドロシク(米国)が15・266点で初タイトル。22日に個人総合決勝で銀メダルの橋本大輝(順大)は疲労による腰痛などを考慮し、予選を通過していた床運動とあん馬を棄権。床運動は萱が繰り上がりで出場し、14・533点で6位だった。

 最終日の24日は橋本と内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=が予選を通過した男子鉄棒、米倉英信(徳洲会)=福岡市出身=が出場予定の男子跳馬などの決勝がある。

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 米倉が跳馬で金メダルを狙う。20日の予選は2本平均14.783点の4位で通過。1位のウクライナ選手は同14.833点と僅差だ。

 24歳のスペシャリストは「一芸」に秀でた選手を育ててきた福岡大体操競技部出身。「福大だからこそ跳馬に絞って結果を残そうという考えになった」と感謝する。今大会には米倉の福岡大の先輩、安里圭亮(相好ク)も跳馬で出場。地方大学からOB2人の代表輩出は異例だ。

 練習場は大学の体育館を他の部活と共有し、全国的な実績を残した選手もほとんどいない。福岡大の貞方浩二監督は跳馬の有力選手を生んだ背景を「たまたま」というが、恵まれない環境が一因になっている。

 複数の技を組み合わせて演技を構成する他の5種目と違い、跳馬は一つの技がそのまま演技となる。「これを覚えれば、トップの選手にも勝てるという考え」と指導方針を明かした。

 米倉は大学3年の冬に「ヨネクラ」(伸身カサマツ2回半ひねり)を国際大会で成功させ、国際体操連盟(FIG)に自身の名前が付いた技として認定された。当時は1日3時間の練習のうち1時間を得意の跳馬に費やしていたという。大学1年時に肩を痛めて跳馬を軸に練習するようになった安里の「リ・セグァン」は貞方監督が脚力に注目して習得を勧めた。

 「関東の大学に進学していれば6種目頑張って、他にもうまい人がいるから埋もれてパッとしないまま終わった」。地元開催の大舞台で米倉は恩返しを誓った。(伊藤瀬里加)

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