自分自身に「ふぬけてんじゃねーよ」内村航平の心に再び火が灯った日

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 体操の世界選手権(西日本新聞社など協賛)最終日は24日、北九州市立総合体育館で男子の種目別鉄棒決勝があり、2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両五輪の個人総合を連覇した32歳の内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=が14・600点で6位に入った。3歳まで過ごした生まれ故郷で完全燃焼。演技を終えると、観衆の大きな拍手に万感の表情で応えた。東京五輪で個人総合と鉄棒の2冠を達成した橋本大輝(順大)が15・066点で銀メダルを獲得した。

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 衝撃の落下から約2カ月後、内村と話をする機会があった。東京五輪で予選落ちし、「何のために(体操を)やるの?」と、もんもんとした日々を過ごしていたというキングに、そんな心境からいつ抜け出したのか問うと、「きょうです」と笑った。

 五輪と同じ自国開催の世界選手権代表に決まった内村は9月23日の全日本シニア選手権に出場。話したのは7位に終わった試合直後だった。「やっぱり日本代表としてやるって、半端な練習ではだめだと思った。覚悟がいる。『ふぬけてんじゃねーよ』と。きょうは試合ができてよかった」

 当時の練習量は五輪前と比べると2割程度。「(目的を失った)そういう気持ちなので、体がついてこない」。全日本シニアは万全ではない中、着地こそ乱れたが、演技を通しきった。「ちゃんと10個の技をつなげて、本当によくできたって感じ」。試合の感覚が再び内村に前を向かせた。

 「五輪で予選落ちしたやつにもまだこうして、日の丸をつけてやらせてもらえる」。生まれ故郷で見せた演技は感謝と覚悟が詰まっていた。(伊藤瀬里加)

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