武井壮会長が「フェンシングパーク」構想で抱く夢 独占インタビュー

西日本スポーツ 松田 達也

 日本フェンシング協会の武井壮会長(48)が本紙のインタビューに応じ、福岡を今後の強化・普及の拠点とする意向を明かした。来年4月、誰もが競技に触れることができる常設施設「フェンシングパーク福岡」の開設を目指す。その目的や進捗(しんちょく)状況、会長としての思いなどを熱く語った。(聞き手・構成=松田達也)

   ◇   ◇

 -「フェンシングパーク福岡」を開設する狙いは。

 「東京五輪のエペ男子団体で金メダルを獲得できたことは素晴らしい成果だった。競技は盛り上がっているけど、フェンシングをやってみようと思っても、どこでできるのか分からない。やる場所もない。道具を売っている場所も分からない。それが現状。マイナースポーツ特有の悩みかもしれないが、その辺りを複合的に解決できる場所をつくりたい。具体的な拠点、どんなコストで運営できるかは、これから決めていく」

■「愛」が深い地域

 -なぜ福岡なのか。

 「スポーツ選手を見ても、体が強い選手を生んでいる印象がある。ソフトバンクホークスの“愛され方”を見ていると、アスリートへの愛が深い地域なんだということがよく分かる。福岡で、ホークスの選手が歩いていたらみんな気付くでしょう。フェンサーたちもそういう存在になってほしい。フェンシングを通してスポーツ文化を広めるという意味でも、福岡は素晴らしいと思う」

 -競技人口の拡大のために考えていることは。

 「まずは子どもたちが競技をスタートする際のコストをゼロにしたい。サッカーや野球をスタートするように、フェンシングをすぐにできる場所をつくりたかった。町を歩いていて、フェンシングをやっている場所を目にして、自分もやりたいなと思ってもらえることが大事」

 -裾野が広がれば強化につながる。

 「選手の育成、強化も大事だが、フェンシング文化を育てていくことも考えたい。第一線を引退した選手が指導者になるには、競技人口が多くなければ仕事ができない。引退した選手の多くは、これまで培った技術を生かすことなく、サラリーマンなど別の仕事をしているケースが多い。彼らの技術は無形の財産。フェンシング界に生かしていきながら、競技の発展につなげたい」

 -選手のセカンドキャリアにもつながる。

 「個人的にはセカンドキャリアという言葉は好きではない。引退してリセットではなく、一から始めた最初のキャリアをそのまま継続できるようになってほしい。現状は、フェンシングをなりわいとして生きていくことは簡単ではない。そこもみんなで支える仕組みをつくりたい」

■全国のモデルに

 -今回は、日本代表のコーチを務める藤野氏がプロジェクトリーダーを務めている。

 「彼は全日本選手権を4度も制した実力者。信頼の置ける人材を送り込んで、福岡で拠点をつくりたい。その第一歩をモデルケースとして、全国に広げたい」

 -組織としての夢や目標は。

 「優秀な指導者がいて、フェンシングパーク福岡で競技に取り組んでいけば、将来は五輪の金メダルにたどり着く。そういう場所になれば」

 -会長として競技への思いは。

 「3年後にはパリ五輪もある。金メダルに準ずるような成果を残せるようにしたい。団体ではメダルを獲得できたが、個人が力を付けていくことも大事。個人戦で複数のメダルを獲得できるようになれば。指導者の育成も急務と思っている。日本人のコーチが世界からオファーが来るような時代になれば、分厚いフェンシング文化が根付くのではないか」

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