球団80年ぶりの珍事だった「2番甲斐」 藤本監督が本気で来季構想に入れるわけ

西日本スポーツ 長浜 幸治

 あるぞ「2番甲斐」!! ソフトバンクの甲斐拓也捕手(29)が5日、来季のテーマに「つなぎの打撃」を掲げた。今季は球団の捕手として野村克也城島健司(現球団会長付特別アドバイザー)に続く3人目の全試合出場を達成。自己最多の12本塁打を放った一方で、打率2割2分7厘に終わり、リーグワーストの142三振を喫した。藤本監督は2番打者で起用する案に言及。V奪還に向けたキーマンとなる。

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 秋季キャンプ2日目は海野の景気のいい歌声からスタートした。「ハッピーバースデー、ディア晃さん、甲斐さん♪」。中村晃とともに誕生日を祝われた甲斐は「海野が歌ってくれていい一日になった」と、かわいがっている後輩からのプレゼントに目尻を下げた。

 記念日に立てた誓いはシンプルだった。「最高の1年になるように。僕はキャッチャーなので、リーグ優勝、日本一で終われることが一番最高な形」。今季は球団の捕手で3人目となる全試合出場を果たしたが、「とてもじゃないけど野村さん、城島さんと一緒にしたら失礼」。チームの正捕手としてリーグ4位に沈んだ責任を背負った。

 12年目を迎える来季に向け、今キャンプでの取り組みは明確だ。「体を鍛えることも大事だけど、一番は打撃面」。今季は自己最多の12本塁打、44打点をマークしたものの、打率は規定打席到達者ではリーグで下から2番目の2割2分7厘。三振はリーグ最多の142個と、両極端な数字が残った。

 藤本監督は甲斐に対して「チームの要」と信頼を寄せるからこそ、打撃に注文を付けた。「2桁本塁打は立派だけど、142三振は多い。差し引いたらマイナス」。その上で求めたのはつなぎの意識だった。「走者がいなければホームランを狙っていいけど、走者がいるなら右方向に打つとか、チームバッティングも大事」と口にした。

 甲斐の打撃が変われば、攻撃のバリエーションも増える。指揮官は「(1~4番の)間に右打者に入ってほしい。捕手だから2番はだめ、1番はだめとか固定観念はない。(甲斐の)状態が良ければ」と2番起用の構想も明かした。今季甲斐が2番で先発したのは5月22日のオリックス戦1試合のみ。球団の捕手としては80年ぶりのことだった。

 キャンプ初日の4日に藤本監督と面談した甲斐もリクエストに応えるつもりだ。今シーズン終盤には逆方向への意識を強めていたといい、「いい感覚というか、来年につながるようなものがある」と手応えを強調する。右打ちの名手だった藤本監督の手ほどきも受け、今キャンプでは右方向への鋭い打球も目立つ。「つなぎの甲斐」が藤本野球の大きなピースになる。(長浜幸治)

 ◆甲斐のスタメン捕手2番 5月22日のオリックス戦(ペイペイドーム)にプロ初の「2番」で先発出場。初回に左腕の田嶋から四球を選び、直後に二盗を決めるなどチャンスメークし、柳田の先制弾を呼び込んだ。打撃は3打数1安打。リードでも先発のマルティネスを好リード。7-2の快勝に導いた。

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