東京五輪の「再現VTRかと思った」二刀流・藤田倭、不振乗り越え涙のMVP

西日本スポーツ 末継 智章

 ソフトボールの日本リーグ女子決勝トーナメント(T)最終日は7日、福島市の福島県営あづま球場で行われ、決勝でビックカメラ高崎(リーグ1位)がトヨタ自動車(同2位)を3-0で破り、前身時代も含めて3年連続14度目の優勝を決めた。

 6回に先制二塁打を放った藤田倭=長崎県佐世保市出身=が決勝Tの最高殊勲選手賞(MVP)を受賞。5回から登板した上野由岐子=福岡市出身=が3年連続で決勝の勝利投手になるなど東京五輪代表勢が活躍した。日本リーグ女子は来季からJDリーグと名称を変え、現リーグの1部12チームと同2部4チームが東西に分かれて戦う。

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 同点の6回無死一、二塁。藤田はトヨタ自動車のアボットが投じた外角高めの球を逃さず、右中間方向へ運んだ。相手投手もコースも打球の方向も、7月下旬の米国との東京五輪決勝で5回に放った適時打と同じで「再現VTRかと思った」。先制の二塁打で、五輪と同じく優勝と同時にMVPにも選ばれた。

 違ったのは試合後。笑顔だった五輪後と対照的に「すごく苦しい1年だったけど、最後にいい景色を見られた」と涙ぐんだ。佐賀女子高から2009年に太陽誘電に入ったが優勝と縁がなく、今年1月にビックカメラ高崎に移籍。移籍と五輪を控えた重圧に、春先から投打とも不振に陥った。

 五輪前の合宿で上野に不安を打ち明けると「使われたときに後悔しない準備をすることが倭のベストじゃない?」と厳しくも温かい言葉が返ってきた。「心に刺さった。この1年を乗り越えるために必要な言葉」と感謝し、五輪に続いてバットで恩返しした。

 チームメートから「倭を優勝させたい」と励まされ、つかんだ自身初の日本一。「1人だったら五輪を辞退したかも。人のつながりに助けられた」と結果とともに仲間との絆が財産となった。(末継智章)

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