世界新体操をスタンドから見た高校生の思い 「いつか私もこの舞台に」

西日本スポーツ 帖地 洸平

【記者の目】

 今秋、北九州市で開催された新体操の世界選手権。団体2種目で銅メダルを獲得した日本代表「フェアリージャパン」の活躍を尚絅(しょうけい)高(熊本)2年の工藤智佳子(17)はスタンドから特別な思いで観戦した。日本代表の稲木李菜子(18)とは、小学生のころから同じ新体操クラブで技を磨き合ってきた仲。演技を間近で見た工藤は「鳥肌が立った。いつか私もこの舞台に立ちたい」。コロナ禍における地方都市開催を機に改めて夢に向かうアスリートを取材した。

 小学1年から「みどり新体操クラブ」(熊本市)に通い、同4年には強化コースへ。同5年のとき、ウクライナで五輪メダリストから手ほどきを受けるまで成長し、中学3年では全国中学校体育大会に出場した。

 このクラブで出会ったのが別の小学校に通う1学年上の稲木だった。「李菜子ちゃんがリーダーを務めた時、私も副リーダーとして支え合った。当時から憧れの存在」と振り返ると、一緒に遊園地に遊びに行くなどプライベートの思い出も明かしてくれた。高校生になり上京した稲木とは今も連絡を取り合っている。

 10年以上にわたって2人を指導してきたクラブの平崎寛子代表は「2人とも黙々と汗を流すタイプ。お互いを高め合い、うらやましい関係に見えた」とほほ笑んだ。

 団体総合決勝が行われた10月29日。工藤は「りなこちゃんがんばれ!」と書かれた自作のうちわを手にスタンドへ。「フェアリー(妖精)」の言葉通り、腕や足をしなやかに広げて舞い、はじけるような笑顔で歓声に応える稲木を瞳に焼き付けた。「演じ終えた瞬間の笑顔は特にまぶしかった。達成感を覚えるってこういうことなのかもしれない。世界を相手にするときって、どんな景色が待ってるんだろう」。感動しきりの様子で言葉をつないだ。

 来年は、高校生になって初めてにして最後となる全国高校総体(インターハイ)がある。コロナ禍で多くの大会が中止に追い込まれた悔しい気持ちをぶつけるつもりだ。

 「試合でフロアに立つと手が震える。体もこわばって失敗につながることもあった。高難度の演目をこなす李菜子ちゃんは、それだけ練習してるってこと。ボールの回し方やステップの方法…。吸収すべき技術はたくさんあった。私も負けずに練習しないと」。世界の舞台に立ちたい-。そんな思いを一層強くした工藤は「みんなを感動させた、手に汗握る演技に私も挑戦したい」と飛躍を誓った。(帖地洸平)

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