未完の大器・杉山が“投げない新球”習得中 その狙いとは

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 来季の先発ローテーション入りを狙うソフトバンクの杉山一樹投手(23)が、“脱力投法”の習得に励んでいる。9日は今キャンプ初めてブルペン入り。長い回を投げ抜くため無駄な力みのないフォームづくりに取り組んでおり、試合では投げないチェンジアップも投じた。今季は先発3試合も含めて15試合に登板。先発での一本立ちを目指す最速160キロ右腕が、力を抜いて大ブレークを目指す。

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 今秋初のブルペンで、杉山が“新球”を披露した。投じた全39球のうち、数球織り交ぜたのはチェンジアップだ。投球練習終了後には、入念にフォームや指のかかり具合などを確認。ただ、実戦で使う予定は「ない」という。その球種を投じた狙いを「僕が使いたい体の動き方ができるボールで(指など)末端に力を入れない投げ方をやっている」と説明した。

 理想とする「力を使わず、力のあるボールを投げる」ための感覚をつかむ練習だという。「チェンジアップは(指に力を入れてボールを)握らないので、他の部分を使って投げないといけない」。直球など他の球種を投げる際には人さし指や中指などが重要となるが、その指先に無駄な力を入れず、体全体を使って速球を投げ込むイメージだ。

 プロ初先発を含む3試合で先発を務め、自己最多15試合に登板した今季の反省が右腕を突き動かす。防御率3・20だった3年目の今季は、計25回1/3を投げて33与四死球。先発ローテ入りを狙う上で、制球力の安定は大きな課題だ。今季はイニング数を上回る29奪三振も記録したが、自慢の剛速球をさらに生かす意味でも、無駄な力みが影響しての四球減を目指す。

 それだけに、160キロを誇る最速スピードの更新も必要以上に追い求めない。「常時155キロ以上を投げられるような体をつくり動かせるように。マックスではなく維持することが大事。長い回を投げたいし、けがもしたくない」。すべては、先発ローテ入りし、シーズンを通してそれを守り抜くための逆算から秋の練習に取り組んでいる。

 今季は2軍でも15試合に登板し5勝2敗、防御率1・40と結果を残しただけに、藤本監督も来季の先発候補に杉山の名前を挙げている。本人も、もちろんそのチャンスをつかむつもりだ。「先発はしたいなとずっと思っている。何度でも挑みたい」。鼻息の荒さとは裏腹に、力を抜いて、2022年を飛躍のシーズンとするつもりだ。(伊藤瀬里加)

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