井上、2年目の三塁奪取へ究極の欲張りプラン 「レジェンド4」のエキスをまとめて吸収

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ソフトバンクの井上朋也内野手(18)が球史に名を残す“アーチスト”のエキスを吸収し、2年目の来季の飛躍を目指す。福岡市内の球団事務所で自身初の契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸880万円でサイン。秋季キャンプでは王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーや小久保裕紀2軍監督から熱血指導を受け、落合博満氏、清原和博氏の打撃フォームを動画で研究している。4人で計2316発を放ったスラッガーたちの極意を学び、1軍初出場を狙う。

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 ドラフト1位で入団した1年目を終え、井上は来季への思いを強くした。「まだ2年目だからとか言われるけど、気にせずチャンスがあれば1軍の人たちにしがみつこうと思う」。今季の1軍公式戦の出場はなかったが、和製大砲への道を歩もうとする18歳は、秋の鍛錬を大きな飛躍につなげようとしている。

 打撃については「しっかり自分の形をつくっていく」とフォーム固めに取り組む。25日に打ち上げたばかりの秋季キャンプでは王会長から熱血指導を受けた。右手に力が入る悪癖を矯正するためにハンマーを握ったり、フォロースルーを大きく取るためにバットを投げたりするなど、独自の指導で感覚を磨いた。

 小久保2軍監督からも「歩幅を狭めるように。そうしないと下半身が使えないので、まず一番に考えろ」と助言され、実践している。宿舎では落合氏、清原氏の動画を見ながらスイングを繰り返した。「すごい右打者の2人なので。誰かに言われてではなく、自分の興味です」。気になった場面で動画を一時停止。鏡の前でバットを握る。

 プロ野球記録の通算868本塁打を放った王会長を筆頭に、清原氏が同525本、落合氏は同510本、小久保2軍監督は同413本。4人を合計すれば2316発だ。埼玉・花咲徳栄高で高校通算50発の大器は球史に残るレジェンドから成長のヒントをつかもうとしている。

 藤本博史監督が就任したホークスは「世代交代」がテーマの一つ。特に、井上が主戦場とする三塁は38歳の松田の後継者が待望されている。今季7本塁打のリチャードが台頭したが、絶対的なレギュラーは不在。井上は東京五輪によるリーグ戦中断期間中のエキシビションマッチに出場するなど、定位置争いに食い込む可能性を秘めるだけに「まずはファームで結果を出し、1軍に食い込んでいけたら」と意気込む。

 打撃は持ち味のフルスイングを貫きつつ、確実性も求めている。「率を残せるようなバッターになりたい。そこに長打力、本塁打をプラスできたら」。未来の中軸候補は、一歩ずつ階段を上っていく。(伊藤瀬里加)

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■初の契約更改は現状維持「課題を一つずつクリアしたい」

 井上は初めての契約更改交渉で現状維持の880万円でサインした。プロ1年目の今季を振り返って「走攻守の全てで課題が残る。一つずつクリアしたい」と成長を誓った。オフの自主トレは花咲徳栄高の2学年先輩の野村(日本ハム)と合同で行う予定だったが、都合が合わずに現時点では未定。この日は井上を含む支配下の新人4選手とともに育成の中村亮、石塚も契約更改交渉を行い、いずれも現状維持でサインした。(金額は推定)

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■藤本監督は「そういうことを一切しない」と感嘆

 井上はルーキーイヤーの今季、春季キャンプはB組でスタート。期間中、体験でA組練習にも参加した。3軍では70試合に出場し、打率2割5分6厘、8本塁打、41打点をマーク。夏場から2軍で出場機会を増やし、ウエスタン・リーグでは45試合で打率2割4分6厘、3本塁打、11打点だった。今季は2軍で指揮を執った藤本監督も「思い切りはある。調子が悪くなったら当てにいく傾向がある選手が多いけど、そういうことを一切しない」と強心臓ぶりを絶賛。2軍でともにプレーした東浜も「高卒ルーキーであそこまで振れる選手はそういない」とスイングの鋭さを認めていた。

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