元バレー代表・迫田さおり ポジション争った江畑幸子の言葉に今、感じること

西日本スポーツ

 ◆バレーボール女子元日本代表・迫田さおりさんコラム「心の旅」

 好きな言葉は「心(こころ)」だという。バレーボール女子元日本代表のアタッカー、迫田さおりさんは華麗なバックアタックを武器に2012年ロンドン五輪で銅メダル獲得に貢献した。現役引退後は解説者などで活躍の場を広げる一方、コロナ禍が続く中、スポーツの魅力を発信しようと自身の思いをつづっている。

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 マスク越しでも心はつながります。コロナ禍の昨年は機会が少なかったバレーボール教室で、先日は大分・豊後高田市におじゃましました。「エバ」「リオさん」―と呼び合う間柄で、ロンドン五輪でもチームメートだった江畑幸子さんと協力して小学生と楽しい時間を過ごしました。2歳年下で、3月まで現役選手だったエバが講師を務めたのは初めてでした。秋田市出身の彼女が、これまで縁遠かった旅先の土地とつながったのはすてきです。「また、九州に来たいな」と喜ぶ顔を見て実感しました。

 バレー教室の冒頭、私は子どもたちに「今日は『リオさん!』と呼んでもらえたら、うれしいな」とお願いしました。名前よりも愛称の方が呼びやすいし、距離も縮まるのでは―。子どもたちが少しでも楽しめるように、エバが提案してくれました。大成功でした。みんなが笑顔になれば「心の余裕」も生まれます。その少しの余裕が「よし、もっと楽しもう!」と、より前向きな気持ちにさせてくれます。

 代表では同じアタッカーのポジション。先発は主にエバでした。劣勢の展開にもひるむことなく、逆にトスを呼び込み、決めきる強さがありました。「超えられない」「かなわない」―との心境になったのは一度や二度ではありません。もっと頑張らなきゃという思いを抱かせてくれました。

 ロンドン五輪、銅メダルが懸かった韓国との3位決定戦のことです。私がアタックを決められない時間帯がありました。コートの外に視線を向けると、監督の真鍋政義さんに呼ばれたエバが交代で入る準備をしていました。「決めないと代えられる」とスイッチが入ったのを覚えています。お互いを高め合うことができる関係であり、彼女がいるからこそ思い切りできた試合も数多くありました。(次ページへ続く)

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