武田、完全復活期す来季は「野球の投げ方しない」 代名詞のカーブに“メス”

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ソフトバンクの武田翔太投手(28)が29日、来季の完全復活の鍵に「5時カーブ」の習得を挙げた。時計の12時から5時方向に曲がり落ち、右打者の内角に食い込むような軌道で、従来のカーブよりも空振りや凡打が取れる改良型だ。10年目の今季は右人さし指のけんしょう炎などの影響もあって4勝に終わったが、この日はキャッチボールも再開。来季は新たなカーブも武器にして、2016年以来の2桁勝利を狙う。

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 来季11年目を迎える武田が、代名詞のカーブに“メス”を入れる。今季は右人さし指の故障の影響などもあり、12試合の登板で4勝(5敗)どまり。29日に筑後でキャッチボールを再開した右腕は、今オフの課題に「カーブを基準に」と原点といえる球種を挙げた。

 187センチの長身から投げ下ろすカーブは独特の縦割れの軌道を持つ。時計で言えば12時から6時方向に垂直に落ちるイメージだが、新たな発見があった。「(今季の)いいときは縦に落ちながら右打者の内側に入っていた」。いわば12時から5時方向に曲がり落ちる軌道のカーブだった。

 この感覚を裏付けるために、投球の軌道を精密に測れる機器「トラックマン」などで今季の投球を分析。5時方向へのカーブは意図したものではなく「今までなら『抜けたな』という感覚」と明かすが、こちらの方が空振りや凡打をより多く奪っていたという。

 「僕としては『何で空振りするんだろう』という感覚。抜けたから良くないと思っていたけど、データはそっちの方がバットに当たっていない。当たってもファウルとか三ゴロ。むしろ良かった」。右人さし指の故障とも闘う中、大きなヒントをつかんでいた。

 完全復活を期す来季は、この「5時カーブ」を自在に操る青写真を描く。「野球の投げ方をしない。投手と思って投げないこと」。独特の表現をする投げ方は、体を反ってリリースポイントを上げるイメージ。上からたたきつける感覚を体にしみこませるため、練習ではバドミントンのラケットを振り込んでいる。

 開幕ローテ入りした今季は交流戦前に3勝をマークしたものの、交流戦から右人さし指に痛みを抱えて後半戦の1軍登板はなく、秋も筑後のリハビリ組で調整した。それでも2015年から2年連続で2桁勝利を挙げた右腕に、藤本監督も大きな期待を寄せる。

 年内のブルペン入りを目指す武田は「(藤本監督の)気持ちはひしひしと伝わる。期待に応えられるように。(来季は)けがなく長いイニングを投げること。まずは先発ローテに入っていかないと」と誓う。進化したカーブを新たな武器にして、現在の通算63勝に多くの白星を加える。(伊藤瀬里加)

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