来季降格のJ1大分「カタノサッカー」で狙う王者川崎食い! 天皇杯で最後の意地見せるか

西日本スポーツ 末継 智章

 来季J2に降格するJ1大分トリニータの片野坂知宏監督(50)が、12日にJ1王者の川崎と戦う天皇杯準決勝(等々力陸上競技場)での「ジャイアントキリング」を誓った。主力が大量流出した今季は18位に低迷したが、降格決定後はリーグ戦で2連勝。相手は圧倒的な強さで連覇を飾ったが、今季限りで退任する片野坂監督は「カタノサッカー」の集大成を見せ、初の決勝進出、さらには賜杯をもたらし、サポーターへの最後の恩返しをする決意だ。

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 泣いても笑っても残りは最大2試合。今季限りで退任する片野坂監督は集大成の戦いに奮い立った。「6年間、私がやってきたことに理解を示してくれたサポーターに感謝の思いをぶつけ、いい成果を出して喜んでもらいたい。思い切ってプレーすることがジャイアントキリングを起こす要因になる」。今季J1で年間2敗しかしなかった王者に真っ向勝負を仕掛けるつもりだ。

 就任1年目の2016年から貫いてきたGKも攻撃に参加して自陣からパスをつなぐ通称「カタノサッカー」が生命線。主力が多く流出した今季は連係の構築が遅れ、J1最少タイの31得点。降格の原因となった。

 しかし降格決定後の2試合は躍動感ある動きを取り戻し、横浜FCに2-0、柏に3-2で連勝。片野坂監督は「残留争いの重圧から解放されたこともあるし、降格した中でも大分のためにどうあるべきか存在意義を示そうと奮い立ってくれた。この姿勢がトリニータだ」と選手のチーム愛と責任感をたたえた。

 川崎には今季リーグ戦で2戦とも0-2で完敗。さらに柏とのリーグ最終戦で決勝点を決めた増山や、呉屋、野嶽といった途中加入の選手が規定上、準決勝に出られない。立ちはだかる壁は厚いが「相手は勝って当たり前というのがある」と一発勝負の怖さを逆手にとって先手必勝を狙う。

 J2降格決定後に天皇杯の決勝へ進んだ例は3回もある。心強いデータだが、片野坂監督は「降格チームが決勝に進むかどうかは結果論」と一蹴。そしてユニホームの胸に付いた星に目を向ける。08年にヤマザキナビスコ・カップ(現YBCルヴァン・カップ)を制して手にした九州勢初タイトルを示すものだ。

 「九州のサッカーが盛り上がってくれて良かったと思っていた。胸に星をもう一つ付けて終われば最高」。今度は「カタノサッカー」の証しを刻み込んでみせる。(末継智章)

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