J2降格決定も天皇杯決勝進出 J大分が本気で狙うACL出場権

西日本スポーツ 向吉 三郎

 J2降格が決まりながらサッカー日本一を争う天皇杯の決勝に進んだ大分トリニータの片野坂知宏監督(50)が15日、優勝チームに与えられるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得をサポーターに約束した。九州のJリーグクラブとして初の天皇杯初制覇も懸けて東京・国立競技場で19日に戦うのは浦和。今季限りで退任する片野坂監督にとっては大分での監督生活最後のゲームとなる。泣き笑いを繰り返すトリニータの歴史の中でも片野坂監督が指揮を執った6年間は激動だった。最後に待つのは歓喜か無念か。“最終話”から目が離せない。

 涙なしでは語れないトリニータ劇場はまだ終わらない。今季限りで退任する片野坂監督は「6年間の指揮の最後になる。スタジアムにたくさん来てくれるであろうサポーターと一緒に戦って、みんなで喜び合いたい」と、うれし涙を約束した。

 九州勢としては1964年の八幡製鉄以来の天皇杯制覇(古河電工と両チーム優勝)。チームとして二つめの全国タイトルをもたらすだけではない。片野坂監督にとっては大きな置き土産を残すことができるチャンスでもある。優勝チームはアジアのクラブチームの頂点を争うACLに出場する権利が与えられる。

 「日本の代表として地方の大分が出ることは大きい。アジアに大分のサッカーをアピールできる。J2からでも戦って素晴らしい成績を期待したい」と来季J1復帰を目指しながら、ACLも戦う意義を強調した。

 在籍9年目でこれまでも「大分からACLに」と訴え続けた松本は「本当に目指していたので逃したくない。大分の地で海外のチームが見られるチャンス。Jリーグにはないわくわくが味わえる大会」と来季、サポーターに新たな楽しみを提供することを誓った。

 今季のリーグ戦は2試合を残して降格が決定。「悔しい思いをパワーに変えてくれた」と片野坂監督は選手に感謝する。準決勝はJ1で2連覇を決め、天皇杯連覇も狙った川崎に延長後半に先制点を許したが、終了直前にエンリケトレビザンがヘッドでゴールをこじ開け、7人目までもつれ込んだPK戦を制した。

 片野坂監督が「夢のような形」と語る決勝で戦う浦和は今季リーグ戦1勝1敗。指揮官は「いろいろなことができるチーム。どういうふうに戦うか準備が難しい」と警戒する。だが、「大事なのは勝つために自分たちのサッカーに集中すること」と自信をのぞかせる。

 2008年、大挙して東京・国立競技場に詰めかけたサポーターとともにヤマザキナビスコ・カップを手にした。舞台はコロナ禍でも観客数の制限をなくした新国立。地方のJ2クラブがACLへ。「カタノサッカー」最終話はトリニータ劇場の新たなスタートになる。(向吉三郎)

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