小久保2軍監督に斉藤和巳氏「理想の監督像は?」 番組で対談

西日本スポーツ

 ヘッドコーチから配置転換となったソフトバンクの小久保裕紀2軍監督(50)と西日本スポーツ評論家の斉藤和巳氏(44)が番組収録で対談した。2012年の現役引退以来9年ぶりの現場復帰だったシーズンを振り返り、首脳陣ならではの苦悩、球団に脈々と受け継がれる「王イズム」の在り方についてなど、現役時代に師弟関係だった2人が激論を交わした。

   ◇   ◇

 斉藤 ヘッドコーチとして今季はどんなシーズンでしたか?

 小久保 全く力になれなかった。工藤前監督に野手の底上げの部分でお誘いいただいたのに、引き上げられなかった。言い訳できない。

 斉藤 9年ぶりのホークス復帰で「気付き」はありましたか。

 小久保 準備の時間のかけ方が少し緩くなっていると感じた。

 斉藤 キャンプで見た時に感じたんですか。

 小久保 シーズンに入っての試合前ウオーミングアップかな。主力がしっかりやっていなかった。ボールを扱う前に100パーセントの体をつくらず、ノックがアップ代わり。それはプロの戦う集団としては良くないって(話した)。

 斉藤 Bクラスの要因ですか。

 小久保 直接の原因かは分からないけど、そこ(ウオーミングアップ)にかける準備も「プロだよね」と言われるような集団であるべきだ。

 斉藤 そこにギャップというか、意識の変化を感じたと。

 小久保 少し厳しく選手に接したり、引き締めると当然アレルギー反応は起こる。でも全て想定内。厳しいという声は出ていたと思いますよ。ただ、これくらいで厳しいと言っていたら、この子たちの将来、もっと言うとホークスの将来が厳しくなると思って言い続けた。

 斉藤 秋季キャンプからは2軍監督に。若手に伝えたことは。

 小久保 実は秋のキャンプは若い選手を5人ずつ自分の部屋に呼んで、約1時間ずつ話をした。

 斉藤 どんな話を。

 小久保 人生をトータルで考えてユニホームを着ている時間なんてめちゃくちゃ短いぞと。自分を追い込める時間なんてもっと短い。今のうちに自分の基準を作りなさいと。

 斉藤 自分の基準。

 小久保 追い込んだときの自分を基準に持っていると、今が甘いと分かる。他人と比べたら基準は全て他人になる。和巳とやった自主トレの話もした。おまえらの大先輩も、若い時に俺とやった自主トレが人生で一番きつかったというくらいやったんだよと。ちょうど、おまえたちと同じ年代、時期に。だから、オフはやった者勝ち。やってみなさいと。

 斉藤 今思い出すのも嫌なくらい追い込んだ。小久保さんの自主トレについて行くための自主トレを12月にやった。シーズン終盤はオフが怖かった。

 小久保 でも、あそこまでやったことは自信になる。和巳は一冬で脚(下半身)がめちゃくちゃ大きくなって絶対活躍できると確信できる時があった。ユニホームのサイズが去年と全然違う選手は必ずブレークする。伝えたかったのは基本的に強い選手になりなさいと。体が強くないと始まらない。2番目にどんな選手になりたいという強い意志を持つこと。でないと目標は立てられない。あとは忍耐強くなること。耐え忍ぶ時期がない人って薄っぺらいじゃないですか。その時間すら味わえる人間になってほしい。そんな話は若手にしました。

 斉藤 理想の監督像とかはありますか。

 小久保 あまりない。嫌われてやろうか。好かれようとは思わない。ヘッドコーチを任された今年もそうだった。好かれたい人は上に立たない方がいい。

 斉藤 きっぱり言えるのが小久保さんらしい。では小久保さんにとっての「王イズム」とは。

 小久保 主力が手本になれるチーム。今で言えば柳田。今年一年、彼と野球をやって感じたのは、どんなときも自分の機嫌に関係なく野球に向き合える。非常に素晴らしい。状態が悪いから走らなかったり、悪態をついたりすることはまずない。ある意味、王イズムですね。次に誰が主力になるか分からないが、そういう選手にするのが、われわれの役割ですね。

 斉藤 語弊があるかもしれませんが、今の時代に「王イズム」という言葉は通用しますか。

 小久保 主力が手本になるのは永遠に正しい。だから、主力に悪いものは悪いと言える首脳陣でないといけないし、聞く耳を持つ主力にしておかないといけない。そこに時代は関係ない。古き良きものとただ古いものの選別は必要。古き良きものは大切と思っている。次世代のチームの主力になれる選手には、そうあってほしい。

 斉藤 現役時代は王監督(現球団会長)に厳しく言われた。

 小久保 主力になった時にちゃんと叱っていただいた。それは感謝してます。主力になるほど耳の痛いことを言う人が周りからいなくなり、ヨイショしかされなくなる。そこで勘違いする。言い続ける人をいかに大切にするか。駄目なものは駄目と言える指導者であり続けたい。

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 小久保氏は他にも2軍監督として自身に課された役割や、大砲候補として期待されるリチャードが11月の秋季キャンプで守れなかった約束事のいきさつなど多岐にわたり、笑いも交えながら振り返った。この模様はCS「スポーツライブ+」内で斉藤氏の初冠番組「斉藤和巳Route66」の記念すべき第1回放送として28日午後10時から放送予定だ。

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