岩崎、プロテクト漏れ「うすうすは覚悟していた」 人的補償で中日移籍

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ソフトバンクは27日、中日から国内フリーエージェント(FA)移籍した又吉克樹投手(31)の人的補償として、岩崎翔投手(32)が中日に移籍すると発表した。岩崎はソフトバンクがプロテクトした28人から外れ、中日が獲得可能な選手のリストから岩崎を選択した。ソフトバンクで14年間プレーし、2017年には最優秀中継ぎ投手に輝いた生え抜き右腕がチームを離れることになった。

   ◇   ◇

 突然の「別れ」に、岩崎の目は少し潤んでいるように見えた。ソフトバンク一筋で14年間プレー。「寂しい気持ちはすごくある」と本音を明かした。それでも気丈だった。「聞いた時は『マジか…』という感じだったけど、選んでいただけたことはうれしい。感謝して向こうでやるしかない」と前を向いた。

 ペイペイドームで取材対応した右腕は「予感」があったことも口にした。「うすうすはプロテクトを外れているんじゃないかというのは覚悟していた。その中で選んでもらえない方が悲しいので」

 千葉・市船橋高から高校生ドラフト1巡目で2008年に入団。先発として期待されたが、思うような結果を残せなかった。転機は17年だった。開幕からセットアッパーとして主に8回を任され、球団タイ記録の72試合に登板。46ホールドポイントを挙げて最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

 一方、ここ数年は故障に苦しんだ。18年に右肘を手術すると、20年までの3年間は計21試合の登板にとどまった。それでも今季は手術後では最多となる48試合に登板。一時は抑えも任されるなど2勝5敗、6セーブ、14ホールドの数字を残した。20日の契約更改交渉では現状維持の6800万円(金額は推定)でサイン。「とにかく上を目指してやりたい」と、来季への強い思いも口にしていた。

 球団にとっても苦渋の決断だった。取材に応じた三笠杉彦ゼネラルマネジャーは「ホークスにはいい選手がたくさんいる中で、プロテクトリストを作るのは大変な作業だった。いろんな判断もあった」と説明。「来季も一緒に戦うと考えていたので、そういう意味では残念な気持ちはある」と口にした。

 8年ぶりのBクラスに終わった今季は1点差試合に8勝19敗と大きく負け越し、リリーフ陣の強化が補強ポイントの一つだった。そのためにFAで又吉を獲得したが、皮肉にもその代償として実績十分の中継ぎ右腕を失うことになった。チームにとって痛手であるのは間違いない。来季に向けて中継ぎ陣の構想見直しや再整備が迫られることになった。(長浜幸治)

 ◆岩崎翔(いわさき・しょう)1989年10月21日生まれ。千葉県船橋市出身。小学2年から投手兼遊撃手として野球を始め、中学1年から投手に専念。市船橋高3年時に150キロをマークして注目を集める。高校生ドラフト1巡目で2008年にソフトバンク入団。17年に最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得、18年にはオーストラリア代表との強化試合に臨む日本代表「侍ジャパン」にも選出された。通算299試合に登板し30勝33敗11セーブ、96ホールド、防御率3.48。189センチ、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆FA移籍に伴う補償制度

 獲得したFA宣言選手が補償対象選手の場合、獲得球団は前所属球団に金銭および人的補償を行わなければならない。前球団の年俸が日本人選手の3位までを「Aランク」、4~10位を「Bランク」、11位以下を「Cランク」と分類。A、Bの選手が補償対象となる。

 獲得した球団はプロテクト選手を除いた選手名簿を前所属球団に提示する。プロテクトされるのは外国人選手と、そのオフにドラフト指名された選手を除いた28人。

 前所属球団は金銭補償(Aランク=旧年俸の80%、Bランク=同60%)、または人的補償(Aランク=プロテクト外の選手1人+旧年俸の50%、Bランク=同1人+同40%)を選択できる。又吉の今季推定年俸は4200万円でBランクとみられる。

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ