【3位】5人が卒業、色あせない思い出とともに〈HKT48十大ニュース2021〉

西日本新聞 古川 泰裕

 2021年は5人のメンバーがHKT48を卒業した。一人一人について書き始めると年が明けてしまう。特命担当記者として思いの一部をつづりたい。

 3月22日、5期生の小川紗奈が卒業した。佐賀県出身、同期の中でも抜群に「『女の子』らしいメンバー」だったそうだ。大学進学を機に区切りを付けた。4月に5期研究生による「脳内パラダイス」の最終公演を劇場で見守り、終演後には歓声とともにメンバーに迎えられた。髪をバッサリ切ってボブにしていた。同期などとの関係は続いており、運営スタッフには時折、学業の成果を知らせる連絡が届くという。

 2人目は1期生・森保まどか。芸能界随一のテクニックを誇るピアニストで、HKTにおける「モデル系」の元祖と言っていい。

 最後のステージは5月29日、北九州市のソレイユホールだった。森保の地元の長崎でコンサートができなかったことは残念だったが、ピアノに歌にダンスに、持てるすべてを出し切って巣立っていく姿に感銘を受けた。

 現在はHKTの運営会社「Mercury」の関連事務所に所属し、さまざまな分野で活躍中。テレビのコメンテーターを務めるほか、来年2月には同期の卒業生・恭加のバンドにキーボードとして参加予定。同じイベントにはHKTも出演予定で、旧交を温める楽しい現場になりそうだ。

 3人目は宮脇咲良。日韓両国のメンバーで構成したガールズグループ「IZ*ONE」専任から復帰してわずか1カ月で卒業したが、むしろ短期間だったため、一つ一つのシーンが強烈に印象に残っている。

 国際的に知名度を高めていくたび、もはや手の届かない場所に行ったのだと思っていたが、実はそうではなかった。劇場で開催された6月の壮行会で同期メンバーたちと笑い合う姿は、以前と何も変わっておらず、少しホッとしたことを覚えている。

 日本の事務所との契約も終了し、現在は韓国で次のステージへの準備を進めていると言われる。初めて挑んだAKB48選抜総選挙でいきなり47位に入った時から、いつもファンの度肝を抜いてきた宮脇。また、あっと驚くような姿を見せてくれるに違いない。

 4人目は、宮脇の大ファンでもあった清水梨央。卒業公演は12月20日だった。4期生の最年少だったが、高いパフォーマンス力で劇場公演を支え、誰に対してもはっきりと意思を示す姿で先輩後輩を問わず信頼を勝ち取っていった。

 加入当初は意見がぶつかる同期同士の間に入り「けんかしないで」と泣いてしまうこともあったという。取材中も口数が多い方ではなかったが、なぜか最後の締めのあいさつを押し付けられるシーンが多く、困り果てる姿をメンバーたちに笑われていた。オーディションで「心のプラカード」を歌唱中、「仲間に入れて」とプラカードを出したエピソードをファンは忘れることはないだろう。

 最後はHKTが誇るお祭り番長・村重杏奈。指原の卒業後、村重がいなければメンバーがこんなに「HKTが大好き」と愛情を注ぐ雰囲気はつくれなかったかもしれない。HKTとメンバーが大好きで、そこに笑顔を生むための努力を惜しまなかった。

 舞台に立つ以上はプロとしてファンを楽しませた。近年は仮装などの派手なパフォーマンスだけでなく、トークも円熟味を増していた。山あり谷あり、激しく上下した波乱のアイドル人生だったが、そこから学び取り、成長していった。

 後輩たちはいま一度、村重杏奈という存在を見つめてほしい。MCや「バラエティー路線」だけでなく、今後のアイドル人生について、たくさんのヒントを残してくれているはずだ。

 2022年も早々から別れが相次ぐ。1月7日に上島楓、31日に上野遥。「劇場の女神」とそのまな弟子が巣立つことへの寂しさは例えようがないが、それでも新たな未来へ「線路は続いている」。「青春の出口」を駆け抜ける2人に、精いっぱいのエールを送りたい。(古川泰裕)

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