J1福岡・長谷部監督、2022年は「創造」5年周期のジンクス打ち破った名将の真意

西日本スポーツ 向吉 三郎

 J1アビスパ福岡が新しい歴史を創り上げる年が幕を開けた。就任した2020年にJ1昇格を果たし、21年はJ1で過去最高の年間8位で残留。昇格と降格を繰り返す「5年周期」のジンクスを打ち破った長谷部茂利監督(50)がコロナ禍の中で走り続けた2年間を振り返り、22年シーズンの意欲を色紙に込めた。(向吉三郎)

   ◇   ◇

 色紙にしたためた文字は長谷部アビスパが歩んできた道であり、2022年に進むべきテーマだった。創造。「いろんな意味でこういうことを目指しています」。20年に前年J2で16位まで落ちたチームを一からつくり直し、21年はJ1過去最高の年間8位。今季は「J1定着」を第一目標にさらに進化していく。

 「試してみたいことは常にあります。チャレンジし続けないといけない」。築き上げた堅守速攻をベースにしながら「プラスアルファで高めていくことが大事。オプションをいくつか加えていく」とうなずく。

 個の能力が高いJ1だけに昨季はボールを長く持たれる試合も多かった。「それはボールを持ちたいですよ。ボールは持ちたい」と言葉を重ねて強調。「ただ、自分の考えは無駄に時間を稼ぐようなボールの持ち方ではない。アタッキングサード(ゴール前)に集団で入っていくような攻撃がしたい」と信念は曲げない。

 2年間の戦いも創造の連続だった。「(選手たちが)本当にJ1にずっといようという気概があるのかというのはクエスチョンでした。いろんなことが少しずつ甘いというか、緩いというか。もっともっと試合に勝つために必要なことを押さえなければならない」。練習後に昼食をクラブハウスで必ず取らせて食生活から改善を促し、時間も細かく設定。「選手にルーティンをつくって、いい練習をし、コンディションをつくることが大事」と真のプロ意識を植え付けた。

 J1に昇格した昨季は緊急事態にチームを急ごしらえしたこともあった。序盤にけが人が続出し、3月の鹿島戦では攻撃陣が不足。長身DFの3年目、三国をワントップに据えた。「試合にはコンディションが整っている選手が出るべき。選手は試合に出たい。極端に言えば、どのポジションでも出たい。試合で活躍するためにサッカーをやっていると思うし、やはり(三国は)活躍をしてくれました」と15年ぶりの鹿島撃破につなげた。

 ボランチの人数が足りないときもあった。「サイドハーフの選手がやってみたり、センターバックの選手がやってみたり、そういうことが可能。そこで違った色が出ると前向きに捉えられる。個性をうまく合わせて連動させると自分たちはゴールできるし、失点をしない。サッカーはそういうスポーツ」と悲観的に捉えることはない。

 福岡の地でのプロ野球ソフトバンクの人気は「想像以上だった」と笑う。「スポーツコーナーはソフトバンクが8割ぐらい。でも、それでいいと思います。野球をベースに皆さんが(スポーツで)盛り上がっていくことは大事なこと。その8割のうち2割をもらおうじゃなくて、アビスパの(メディアに取り上げられる)枠を少しずつ増やしていけばいい。スポーツの枠がなぜ増えたかというと、アビスパが活躍しているから、と」。さらに強いチームをつくり上げ、福岡のスポーツシーンの未来を創造する。

PR

アビスパ福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング