初4強の大津 中学時代無名の存在が決勝弾 全国高校サッカー

西日本スポーツ 末継 智章

 サッカーの全国高校選手権第5日は4日、千葉・フクダ電子アリーナなどで準々決勝があり、大津(熊本)が1-0で前橋育英(群馬)に競り勝って初のベスト4入りを決めた。前半11分に一村聖連(3年)のゴールで先制。今大会1失点の堅い守りで相手の猛攻をしのぎきった。熊本県勢の4強は1954年度の第33回大会で熊本工が進出して以来、67大会ぶりで、九州勢としては東福岡が優勝した2015年度大会以来。大津は熊本県勢初の決勝進出を目指し、8日に東京・国立競技場が舞台となる準決勝で関東第一(東京B)と対戦する。

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 押され気味の展開で、大津の一村がチャンスをものにした。前半11分に右サイドでパスを受けると、ドリブルで加速。相手DF陣を置き去りにし、右足で蹴り込んだ。

 「後ろから打てと(ボランチの)薬師田の声が聞こえた」。前半でチーム唯一のシュートが決勝点に。第100回の節目の大会で、初の4強入りという新たな歴史を刻んだ一発に「うれしい」と笑顔で汗を拭った。

 近年は中学生の年代でもJリーグの育成組織やサッカー専門のクラブチームから有望選手が育つケースが多い中、一村は地元の甲佐中出身で「中学では県大会にも出られなかった」。憧れの大津に進学した当初は、同期生との基本的な技術の差に驚いたという。

 それでも一村は「スピードのあるドリブルは自信があった」。大津OBで元日本代表の巻誠一郎さんが熊本県内に開設したフットサル場で、小さいころから1対1の練習を通して磨いた。大津でも全体練習後に取り組み“無名”の存在からスタメンを勝ち取った。

 OBの植田直通(ニーム)も地元中学の部活動出身。今大会固定されているスタメン11人のうち、一村と薬師田、GK佐藤瑠の3人が地元の中学でプレーした。山城監督は「クラブチーム出身の選手と比べて個性的な選手が多い。力不足でも、まず長所を伸ばして自信が付くように指導している。平等にレギュラーを目指せる土壌が大津にはある」と説明する。

 公立校ながら多くのJリーガーや日本代表を輩出した「育成の大津」。同じ公立の国見(長崎)、私立の鹿児島実と東福岡。九州で一時代を築いた3校と違い、大津はこの大会と全国総体での優勝がない。「目標の全国制覇を必ず達成する」。開幕戦以外では初となる国立での戦いへ、一村は宣言した。(末継智章)

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