脚に異変のエース、両チーム最多得点も…、2セット連取から逆転負け 春高バレー男子準優勝の鎮西

西日本スポーツ 山田 孝人

 バレーボールの全日本高校選手権(春高バレー)は9日、東京体育館で決勝が行われ、男子は昨夏の全国総体王者で4大会ぶりの優勝を目指した鎮西(熊本)が日本航空(山梨)に2-3で敗れ「夏冬2冠」はならなかった。第1セットから連取。エース舛本颯真(2年)が両チーム最多52得点の活躍を見せたが逆転を許した。

 全国総体&春高の2冠は目前だった。第1セットから連取して迎えた第3セット。23-22。あと2点から、男子の鎮西が敗れた。同点に追いつかれ、つなぎでミスが出て1点を勝ち越される。その間、舛本が懸命のスパイクを打ち込むが得点には至らなかった。

 「決めきれなかった。自分の気持ちの弱さが出た」。このセットを奪われると流れは日本航空に傾いた。「脚がつりかけていた」という第4セット。エースの異変を見たツーセッターの九冨主将(3年)や平川(2年)は舛本に集めていたボールを散らすが、一度失った勢いは戻らなかった。

 身長182センチながら最高到達点336センチを誇る舛本。力を振り絞った最終セットも思うように跳べない。「言い訳をしたら、鎮西のエースは務まらない。自分の責任です」。豪快なだけでなく、手首を使って方向を打ち分けるなど両チームで断トツの52得点を挙げた男は、とことん己を責めた。2-3での逆転負け。東京体育館の天井を見上げ、目を赤くした。

 決勝までの道のりで有効だった3枚ブロックも、相手の巧みなトスワークで少しずつ狂わされた。九冨は「対応してきた相手に対応できなかった。自分たちの甘さが出た」と悔やむ。立て直せないまま多彩な攻撃も影を潜めた。鎮西が掲げるバレーボールのスタイルは不変。「ミスをしない」「エースが打ち切る」。だからこそ部員の誰もが悔いの残る形となり、無念さは涙へと変わった。

 4年前のVメンバーで、当時1年生エースだった水町泰杜(現早大)が舛本の憧れ。入学前に「エースを託した」と言葉をかけられて奮起してきたが昨年は3回戦、今年はあと一歩だった。「水町さんのように鎮西のエースとして日本一に」が目標だけに悔しさはなおさらだ。「チームを勝たせるため、気持ちの弱さを克服する」。先輩の涙も背負い、1年後に悔しさを晴らす。(山田孝人)

 

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クイックで奮闘し「悔いなし」、ミドルブロッカー平嶋

 鎮西の平嶋(3年)は「チームとして甘い部分が出て負けたのは悔しいけど、個人的にはやりきった」と涙を見せなかった。苦しい場面でAクイックを決めるなど6得点。「自分がチームの空気をよくしようという思いがあった。最後の春高で悔いなく終われた」と胸を張った。梅林中(福岡市)3年時の全国都道府県対抗中学大会で福岡県の優勝に貢献し、鎮西高1年時には年代別の代表候補合宿にも呼ばれた196センチのミドルブロッカー。今大会では得意のブロックで2メートル級の選手にもプレッシャーをかけて勝利に貢献した。卒業後は福岡大に進学予定で「次のステージでも頑張る」と飛躍を誓った

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