「九州はひとつ」大津、小嶺さんに届ける熊本勢初準V 高校サッカー

西日本スポーツ 末継 智章

 全国高校サッカー選手権決勝が10日、東京・国立競技場で行われ、初めて決勝に進出した大津(熊本)は青森山田に0-4で敗れた。悲願の初優勝には届かなかったが、熊本県勢最高の準優勝。7日に死去した元長崎・国見高監督の小嶺忠敏さんらが提唱した「九州は一つ」の理念を継ぐ九州屈指の強豪が、サッカー王国復活へ確かな足跡を残した。

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 3点を追う後半10分。大津ベンチから平岡総監督のゲキが飛んだ。「戦いはこれからだぞ!」。大津のポリシーの一つが「諦めない心」。点差が離れ、シュートを1本も打てなくても、走り、球際で戦う姿勢を貫いた。「結果は敗れてしまったが最後まで走り抜き、準優勝を勝ち取ってくれた選手を誇りに思う」。山城監督は0-4の結果だけでは見えない成果に胸を張った。

 高校年代最高峰の高円宮杯U-18プレミアリーグで戦うチーム同士だが、選手権では青森山田は4大会連続の決勝進出で、大津は出場自体が3大会ぶり。経験の差は大きかった。「相手の圧力がすごくて後手に回った」と森田主将(3年)。前半37分に警戒していたCKから先制され、徐々に突き放された。

 それでも同リーグでJの下部組織相手に磨いた粘りの守りで勝負強さも磨き、県予選から準々決勝(準決勝は関東第一の辞退により不戦勝)まで計1失点。8強が最高だったチームの歴史を塗り替え、平岡総監督は「子どもたちは充実していた」とたたえた。

 スタンドには平岡総監督がしたためた「九州はひとつ!」の横断幕を掲げた。選手権を6度制して7日に死去した長崎・国見元監督の小嶺忠敏さんや2度優勝した鹿児島実元監督の故松沢隆司さんらが提唱してきた共助の精神だ。

 2人と寝食を共にしてアドバイスを受けた平岡総監督は「お二人はいつも『九州は一つ。日本のサッカーは九州からだ』と未来を語ってもいた」と振り返る。自らも複数のポジションを経験させて選手の長所を伸ばすなどの指導法を地元指導者に公開し、県内外のレベルアップにつなげた。

 教え子が県内のライバル校を率いて大津の選手権出場を阻むこともあるが、競い合うことで地域全体のレベルアップにつながっている。「九州を一つにまとめ、常に九州から選手権の決勝に出るようにしたい」と平岡総監督。かつて国見や鹿児島実、東福岡が築いた九州黄金時代の復活を、熊本から発信させていく。(末継智章)

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