「あぶさん」モデルの永渕さん 水島新司さんに「ご苦労さま」

西日本スポーツ

 漫画家水島新司さんの訃報を受け、九州のゆかりの人たちから悼む声が相次いだ。

 「あぶさん」の漫画で酒豪の強打者、景浦のモデルとなった元プロ野球選手永渕洋三さん(79)=佐賀市=は「野球界に功績を残した。今までご苦労さまと言いたい」と悼んだ。

 永渕さんは居酒屋のツケを契約金で支払うなど豪快なエピソードで知られ、水島さんが作品の着想を得た。球界引退後の1980年に同市内に焼き鳥店「あぶさん」をオープンする際、水島さんは快諾してくれた。2018年に閉店したが、店を訪れた水島さんとの写真は今も大事にしているという。「最近体調が良くないと聞いていた。天国でも漫画を描くんだと思う」

 元パ・リーグ審判部長で「あぶさん」に豪快な審判として描かれた村田康一さん(85)=北九州市小倉南区=は訃報を知り「死んでもうたと思うてね。寂しい」と涙ぐんだ。

 各地の球場に訪ねてきては「おやじさん」と声を掛けられた。練習を見ながら1、2時間話をしたり、一晩中、漫画や野球、人生観について語り合ったり。「気取らず、豪傑で堂々と意見を述べる大人物だった」

 作品に「おれは村田だ!」と声を荒らげる場面が登場する。水島さんから「あなたが出てこなければ勝負にならん」と描く許可を求められた。難しい判定で時に選手やファンから猛反発を受けることもあった。「人から批判されようが、正しいことは正しいと描いてくれた。審判の心意気を知り、審判がいないと野球ができないと描いてくれたことで勇気をもらった」と感謝した。

 ホークスの私設応援団「あぶさん会」の中村則彦会長(64)=福岡県春日市=は「水島さんに許可をもらった団名を誇りに思う。今までファンを楽しませてくれてありがとうと言いたい」と話した。

 1976年夏の甲子園で長崎・海星高の酒井圭一(元ヤクルト)とバッテリーを組んで4強入りし「球道くん」に登場するキャラクターのモデルとなった吉武健治さんは「自分がモデルと言うけど、漫画の方がずっと良かごと(かっこよく)描いてありましたよ。私よりずっと頭が良さそうでした(笑)。漫画に出させてもらっただけで、水島先生とは全く面識も話したこともありません。でもありがたいことです。野球漫画が好きで『ドカベン』が特に好きでした。寂しいですね」と語った。

(米村勇飛、後藤希、山口新太郎、前田泰子)

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