王会長、ルーキーに伝授した3カ条 「選手でやれる時間は短いから」

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ソフトバンクの王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)が19日、チームの将来を担うルーキーにプロで戦う「3カ条」を伝授した。福岡県筑後市のファーム施設での新人合同自主トレを今年初視察し、ドラフト1位の風間(秋田・ノースアジア大明桜高)ら支配下、育成計19人の新人選手に「選手でやれる時間は短い。他の人の3日分が君たちの1日だ」と7分超の熱血訓示。さらに(1)故障をしない(2)整理して復習(3)自分の考えを持て-など実戦的な助言も送った。

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 話が進むごとに、王会長の口調は熱を帯びた。快晴のタマスタ筑後。直立不動のルーキーへの訓示は7分を超えた。「選手でやれる時間は短い。他の人の3日分が君たちの1日だ。一日一日を大事にしてほしい」。練習冒頭での熱弁で1月の寒気を吹き飛ばした。

 (1)故障をしない 真っ先に口にしたのが、故障防止の重要性だ。「故障をしたら損。体の柔軟性とかをしっかりしないと。準備体操、整理体操をしっかりやって、次の日にまた最初から元気で動けるような準備を」と力を込めた。

 自身もグラウンドで前屈を披露し、左右の手のひらを地面にぴったりと着けてみせた。現役時代は2年目の1960年に早くもフル出場(130試合)。その後も大きな故障をせずに40歳まで打ち続けた。柔軟でけがの少ない体がプロ野球記録の通算868本塁打など数々の大記録を支えた。

 (2)整理して復習 短いプロ野球人生を充実させるために「復習をしっかりやってほしい。きょうやったことを整理して、明日に備える」。時間の有効活用のためにも、練習や試合でのプレー内容、コーチの指導などを整理した上で、次に進む大切さを説いた。

 (3)自分の考えを持て 訓示では「自分」という言葉を17回も発した。「メインは自分。自分がうまくなる。自分の考えを常に持ってほしい」。厳しいプロの道を歩んでいくためにも「(コーチに)一から全部教えてもらおうなんて考えは持たなくていい」と自立心と覚悟を求めた。

 「世界の王」の強烈なメッセージ。ドラフト2位の正木(慶大)は「言葉の重みが違いました。『復習が大事』という言葉が印象に残った」と感銘を受けた。「『俺が一番だ』『この世界で暴れるんだ』みたいな気持ちでやってほしい」。王会長からほとばしる言葉はどこまでも熱かった。(伊藤瀬里加)

◆王会長の主な筑後でのメッセージ

 ▼2016年7月20日 同年3月のファーム施設竣工(しゅんこう)式以来の訪問で試合や練習は初視察。ウエスタン・阪神戦の試合前ミーティングで「プライドを持ってやってほしい。みんな選ばれた人だということを胸に持って」。

 ▼19年3月22日 21日に現役引退を発表したマリナーズ・イチローに関して「前に出ることはすごく大変だけど、前に出ないと味わえないこともある。右足を出したら、勇気を持って次は左足を出す」。

 ▼21年1月24日 新人合同自主トレ第4クール最終日に約4分半の訓示。「失敗を恐れずにチャレンジしてほしい。プロは競争の世界。見えないところで練習して、いかに自分を追い込めるか。遠慮せずに先輩を押しのけるつもりでやってほしい」

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