「上から翔太」で逆襲! 苦しんだ武田がたどりついた高卒1年目の感覚

西日本スポーツ 鬼塚 淳乃介

 ソフトバンクの武田翔太投手(28)が“上から翔太”で今季の逆襲を図る。8勝を挙げたルーキーイヤーに席巻した、打者の想定より上の、高いところから落ちてくるカーブが復活。25日は筑後のファーム施設でブルペン入りし、故障歴のある肩の状態も「問題ない」と笑顔を見せるなど、例年以上の手応えを感じながら調整を進めている。春季キャンプでのA組(1軍)スタートが決まった右腕は“上から目線”で、打者を手玉に取る意気込みだ。

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 “上から翔太”復活の歩みが力強くなってきた。「だいぶ上から出るようになってきた」。筑後のファーム施設で調整した武田は、鮮烈な印象を残したかつての感覚を取り戻しつつある。「自分のカーブが昔、何で良かったのか考えたら、結局そこ(1年目)に行き着いた。1周回って頭より自分の感覚に頼った方がいいかなと」。故障と試行錯誤を重ね、たどり着いたのが1年目の感覚だった。

 高卒1年目の2012年。8勝1敗、防御率1・07の数字とともに衝撃を与えたのが、オーバースローから投げ下ろされる落差の大きいカーブだった。「上から翔太でいこうと思ってます」と、人気アイドルグループAKB48の楽曲「上からマリコ」を想起させるコメントも残し、打者を翻弄(ほんろう)した。

 だが肩の不調に苦しみ、近年は低迷。昨年は12試合の登板で4勝(5敗)にとどまるなど、ここ5年間で21勝と苦しんだ。「肩をやって(故障して)腕下げて、全部変わっちゃった」と振り返る。

 ハイテク機器で得たデータも原点回帰を後押しした。昨季中に簡易型弾道測定器「ラプソード」を自費で購入。球速や回転数、変化量や軌道を数値化するハイテク機器で計測し「自分の形は何かと、もう一回しっかり考え、これだなっていうのが出てきた」。

 上からたたき付ける感覚で腕を高いところから振り下ろし、リリースポイントも上方へ調整。1年目の投球感覚を思い起こしながらバドミントンのラケットを振り、体に染み込ませた。宮崎での自主トレから戻り、この日は筑後のブルペンで約20球。「だいぶいいなと思う。キャンプで、もう一段階上げられたらいい」。カーブは1年目の軌道を描くようになり、明るい表情に手応えが重なった。

 2月のキャンプは若手が多く、激しい競争が予想されるA組でスタート。「(自分も)若手ですから、気持ちは」。プロ11年目の逆襲へ、取り戻した自信に闘志を加えて武田が挑む。(鬼塚淳乃介)

■14年の日本シリーズ カーブで虎打線手玉

 武田のカーブは日本シリーズでも輝きを放った。4勝1敗で阪神を下した2014年。第2戦で先発し、落差の大きなカーブを効果的に使って6回2死までパーフェクトの快投。7回を3安打、1失点で勝利投手となった。敵地の甲子園で初戦を落としたソフトバンクは第2戦で流れを変え、4連勝で日本一に。武田は、秋山監督最終年の有終の美に貢献した。

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