引退の内村航平とは異なる道にも敬意 体操・米倉英信の挑戦

西日本スポーツ 末継 智章

【記者コラム】

 体操ニッポン男子のエースとして活躍した内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=が3月12日の引退試合で現役を退く。東京五輪は鉄棒に絞って出場したが、1月の会見では「体操は6種目やってこそ。後輩たちも受け継いで」。五輪と世界選手権の個人総合を8連覇したオールラウンダーの誇りを強調した。

 自身の名を冠した技ができなかったことを問われた際も「未発表の技はあるが、個人総合でトップを維持するためにやめた」。内村のこの言葉に、同じ九州出身で東京五輪代表を最後まで争い、跳馬で自身の名がつく技「ヨネクラ」(伸身カサマツ2回半ひねり)を持つ米倉英信(徳洲会)=福岡市出身=は「6種目に挑戦しながら新技もやるのは相当大変。名前がなくてもいいほどの功績を残されている」と敬意を払った。

 2024年パリ五輪の代表争いはオールラウンダーが有利になる見通しだが、昨秋の世界選手権(北九州市)種目別跳馬で銀メダルの米倉は今年も跳馬に専念する。「輝く舞台がなかなかないかもしれない。でもスペシャリストだから分かることや伝えられることはある」と覚悟の上だ。

 採点規則の変更で、跳馬は2回の試技でそれぞれ違う系統の技をするよう義務づけられるようになった影響もある。米倉が持ち技にするヨネクラとヨー2(前転跳び前方伸身宙返り2回半ひねり)は同じひねり技にくくられるため併用できない。側転跳びの系統に入る高難度の「リ・セグァン」に挑戦中で「他の種目も並行して練習すると、どっちつかずになる。跳馬で言えば米倉という地位を確立したい」と誇りを守る選択をした。

 ヨネクラに半回転ひねりを加えた新技「ヨネクラハーフ」(仮称)の挑戦も視野にあるという。認定されるには国際大会での成功が必要だ。いばらの道を進む九州男児にも敬意を示したい。(末継智章)

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