8年前が原点の大島、甲子園初勝利はお預け エース大野稼頭央「戻って来たくなる」

西日本スポーツ 前田 泰子

 選抜高校野球大会第5日は23日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、8年ぶり出場の大島(鹿児島)は明秀学園日立(茨城)に0-8と大差で敗れ、甲子園初勝利は挙げられなかった。守備の乱れもありエース大野稼頭央(3年)は被安打10、8失点で完投。奄美大島からきた大応援団が集まったアルプスの声援を受けながら、ナインは夏の甲子園で初勝利を挙げることを誓った。

 「8強」を目標に乗り込んだ甲子園。だが21世紀枠で初出場した8年前の先輩たちが果たせなかった初戦突破の壁はやはり厚かった。大島は関東王者に大敗。チャーター便で駆けつけた島の人たちに初の校歌を聞かせることはできなかった。

 コロナ禍で大会前に例年行われる甲子園練習がなくなったことが影響した。「甲子園に慣れていないのが一番の結果でした。球場の特性を体感できなかったのが大きかった」と塗木監督。風が舞う甲子園で2回に左翼手の青木が目測を誤りポテンヒットとしてしまい2点を失うと、3回は右翼手の直江が何でもないフライを捕れず安打にしてしまい4点目を許した。序盤で相手に傾いた流れは取り戻せなかった。

 鹿児島大会初戦から完投してきた左腕エース大野は「ワクワクして気持ちが浮いてしまって球を低めに集められなかった」と序盤の投球を反省。昨秋の公式戦でのチーム失策数は18と出場校中ワーストだけに、エースは守備のミスにも動揺はなかった。「フライのミスがあったので中盤から内野にゴロを打たせようとリードした」という捕手の西田のリードもあり、エースは本来の調子を取り戻し、5回以降は1安打無得点に抑えた。

 チームの原点は8年前。近所のお兄ちゃんたちが甲子園でプレーする姿が格好よかった。中学時代は大野と別のチームで対戦していた西田は「甲子園に行くのに(大野)稼頭央という存在が大きかった」と、鹿児島市内の強豪校への進学を考えていた大野を誘った。「バッテリーを組んで一緒に甲子園に行こう」。その言葉を実現させた。

 グリーン一色のアルプススタンドからは一つストライクを取るたびに拍手が起こった。試合後もナインに惜しみない拍手が贈られた。「投げやすくてもう一度、戻って来たくなるような場所でした。夏は自分たちらしく戦いたい」と大野は誓った。(前田泰子)

PR

高校野球 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング