高3春から投手転向19歳の「隠し球」田上が早くもベール脱ぐ きょうロッテ戦でデビュー

西日本スポーツ 鬼塚 淳乃介

 ソフトバンクの2年目、田上奏大投手(19)が12日のロッテ戦(長崎)でプロ初登板初先発する。昨季ドラフト5位で入団も昨オフに育成契約となり、7日に支配下に返り咲いたばかり。球団では2012年の武田以来となる10代でのプロ初先発と初勝利の快挙を手にするため、エース千賀のアドバイスも受けた。高校時代の公式戦登板ゼロ、プロ公式戦も3試合だけの本格派右腕がベールを脱ぐ。

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 支配下契約から4日。雨の長崎県営野球場で練習していた田上の背中の数字は「156」のままだった。「支配下(登録)にされてからあまり日もたってないですけど、正直なんか夢のような話」。夢見心地の19歳は、球場内の室内ブルペンでウオーミングアップの後、強めのキャッチボールで調整を行い、翌日の舞台に備えた。

 履正社高(大阪)3年春に投手に本格転向。そこからわずか2カ月で151キロをマークするなど高い潜在能力を認められ2021年にドラフト5位で入団。昨オフに育成契約となったが、今年のウエスタン・リーグの開幕投手に指名されるなど同リーグで2試合に先発して2勝0敗。計1失点で防御率0・90と抜群の成績を残し、三笠ゼネラルマネジャーに「うれしいサプライズ」と言わせて短期間での支配下再契約を勝ち取った。

 球団で10代でのプロ初先発となれば12年7月7日の日本ハム戦(札幌ドーム)での武田以来。ルーキーだった武田は5回まで無安打の快投で結果的に6回1安打無失点で初勝利。シーズンでは8勝(1敗)を挙げた。

 武田と同じ12年の4月30日ロッテ戦(QVCマリン)では、育成から支配下登録を果たしたばかりの当時2年目の千賀が19歳でプロ初先発を果たした。しかし3回2/3で3失点のほろ苦デビュー。10日にベルーナドームでブルペン投球する田上を見守ったエースからは「あまり張り切りすぎるな」と自らの経験を踏まえたアドバイスをもらった。

 田上自身も「勝ちたいですけどあまりそこを意識したら自分のいいところを出せないと思う。自分の持ってるものを全部出したい」と自らの投球に集中すると誓った。斎藤投手コーチは「今で言えば千賀の後を継いで本格派なんで、ああいう道を歩んでくれたら一番いいかな」とエースの成長曲線と重ね合わせ期待した。

 支配下契約した7日に直接、先発を言い渡した藤本監督の勧めもあり、母や叔父でソフトバンクの捕手として活躍した大産大付高(大阪)の田上秀則監督が駆けつける予定。「僕がマウンドで楽しそうにしているところを見てほしい」。高校時代は公式戦登板はなし。プロ公式戦もわずか3試合の“隠し球”がついにベールを脱ぐ。(鬼塚淳乃介)

 ◆千賀のプロ初先発 プロ2年目の2012年4月に支配下登録され、同30日ロッテ戦(QVCマリン)で初登板初先発。4回途中4安打3失点で降板して勝敗は付かなかったが、3回まで無安打で最速149キロを記録。大器の片りんを見せ相手打線を驚かせた。5月11日にもロッテ戦(同)に先発し、2回途中3安打4失点で黒星が付いた。12年の登板はこの2試合のみ。13年(51試合登板)と14年(19試合登板)に先発はなく、先発初勝利は5年目の15年8月18日オリックス戦でマークした。

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