10年の積み重ねと新しさへの挑戦 HKT48の3年ぶりツアーに三つの驚き

西日本新聞 古川 泰裕

Fの推しごと~2022年4月

 HKT48の約3年ぶりとなるコンサートツアーが8日、神奈川県横須賀市を皮切りに始まった。今まで以上にパフォーマンス志向を打ち出したステージの三つの特徴が見えてきた。

①進化への決意 最高難度の1曲目

 声にならないどよめきが会場を包んだ。約3年ぶりのツアーの1曲目は「Make noise」だった。ファンなら誰もが知るグループ最高難度のダンスナンバー。意外な選曲ではあったが、HKT48は過去のツアーでも、初日の1曲目でファンを驚かせ、メッセージを発してきた。

 2014年の最初の九州ツアーは「モーニング娘。」の「ザ☆ピ~ス!」。寸劇など「何でもあり」のライブを象徴していた。同年9月からの全国ツアーは、翌年6月まで続く長い旅路の始まり。にぎやかなアイドルソング調にアレンジされた「線路は続くよどこまでも」が1曲目だった。

 では「Make noise」に託されたメッセージは何だったのか。運営幹部の一人は「(パフォーマンスで魅了する)こういうライブをずっとやりたかった」と語った。グループの10年を引っ張った1stシングルセンター田島芽瑠や1期生村重杏奈らが卒業する中、一人一人の進化への決意を示す曲だったのだ。

矢吹奈子がセンターで躍動

 ライブは「突然 Do love me!」「意志」と続いた。冒頭3曲でいずれもセンターを務めたのは3期生矢吹奈子。日韓合同グループ「IZ*ONE」を経て復帰後、HKTのライブでここまで前面に立つ姿は初めてだろう。

「2018年の橋」を歌う矢吹奈子

 中盤では兒玉遥や宮脇咲良ら、歴代のセンター経験者が歌った「2018年の橋」を一人で歌い上げた。2日目の東京公演では、IZ*ONEの仲間だった本田仁美(AKB48)とスタンドマイクで「ヘビーローテーション」を披露。この日は、同期の外薗葉月とのデュオも好評だった。

 体調不良で休演したエースの一角、田中美久のポジションでは渡部愛加里らが奮闘したが、矢吹もまた、安定感すら感じる実力で盟友の不在をカバーした。

③歌、あおり…4、5期生が存在感

 ツアーのタイトルは「Under the Spotlight」。光は若い世代を照らし始めている。

 生バンド仕様にアレンジされた楽曲を、少人数のユニット形式で披露する「バンドコーナー」。ピアノだけで歌う「74億分の1の君へ」はリズムの取り方も音程も難しくなっているが、4期生・豊永阿紀は先輩の松岡菜摘、渕上舞と美しいハーモニーを奏でた。

 同じく4期生の地頭江音々はダンスや「あおり」でステージをリードし、松本日向もMCで爆笑をかっさらった。5期生も石橋颯竹本くるみを筆頭に躍動し、ロックから和田アキ子までバラエティーに富んだ選曲で楽しませる「カバー」のコーナーでは、市村愛里らも存在感を見せた。

アンコールの1曲目「ロックだよ、人生は…」で元気にジャンプするHKT48

 ツアーらしい華やかさを演出したのが舞台後方に設けられた11のビジョン。曲に合わせたメンバーのアップ映像、歌詞の一部、卒業生、衣装チェンジ…。ステージと連係し盛り上げた。

 「新しさ」を印象づける試みが目立つ中で、これまで通り「ライブを全力で楽しむ」HKT48らしさも着実に受け継がれていた。12曲連続メドレーとアンコール曲「ロックだよ、人生は…」。1期生の松岡や本村碧唯が髪を振り乱しながらジャンプし、「最高かよ」では「ファイボーワイパー!」のかけ声も決まった。

 10年の積み重ねと新しさへの挑戦-。今後は名古屋、熊本に加え、6月10日の大阪公演も追加された。この旅路の中で、メンバーがどんな成長を遂げるのか、今から楽しみで仕方がない。

 (古川泰裕)

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