「本当に引退しちゃうんだ」福島千里の後継者候補が受けた衝撃と決意

西日本スポーツ 末継 智章

 今春福岡大学を卒業した東京五輪女子400メートルリレー代表の児玉芽生(ミズノ)が、15~17日に神奈川県平塚市のレモンガススタジアム平塚で行われた日本学生個人選手権にオープン参加。社会人としてのデビュー戦は100メートル、200メートルとも自己ベストに届かなかったが、改良中の走りの課題が明確になった。

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 ほろ苦い社会人デビュー戦もプラスに捉えた。日本歴代3位の11秒35を自己記録として持つ児玉が100メートル決勝で11秒73。200メートル決勝も24秒46で自己ベスト(23秒44)から1秒以上遅れたが「タイム、走りともに悔しいけど、次につながる」と顔を上げた。

 置かれた立場がモチベーションになっている。昨年の日本選手権で100メートルと200メートルの2冠を達成。東京五輪の400メートルリレーに出場した後に女子短距離の第一人者だった福島千里が1月に引退を表明した。

 今春にミズノ入りした児玉は「福島さんが本当に引退しちゃうんだと衝撃を受け、引っ張らないと、という気になった。歴史のあるミズノに入り、世界で戦う意識を強く持つようにもなった」と言う。今季は福島の持つ日本記録更新を強く意識。100メートルは11秒21、200メートルは22秒88と高い壁だが「目指さないと先はない」と覚悟を込める。

 100メートルでは30メートル以降を加速させるため、ストライドを伸ばしながらもトップスピードを上げる走りに挑戦中だ。16日のレースでは伸びを欠いたが「悪いというよりはまっていない。挑戦することで今後につながる」と信じる。17日の200メートルでは苦手なコーナーを曲がり終えるまでの走りが課題と再認識した。

 女子短距離は世界選手権(7月・米オレゴン州)の参加標準記録(100メートル11秒15、200メートル22秒80)が日本記録を上回るほど世界との差が大きい。今回のレース結果を受け、世界ユニバーシティー大会(6~7月、中国・成都)の代表に選ばれた児玉は「個人種目での国際経験を積みたい」と、9月の杭州アジア大会代表も目指して選考会を兼ねた織田記念国際(4月29日・広島)や静岡国際(5月3日・静岡)にも臨む。

 世界選手権や2024年パリ五輪も見据える22歳。「まだ遠い存在だけど、一つ一つのレースを大事にして近づけるよう努力する」と思い描いた。(末継智章)

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