J1福岡GK村上、クラブの打診断った過去「重みは分かる。ただ…」
【メモ帳から】
◆明治安田生命J1第14節 福岡1-0横浜FM(21日、ベスト電器スタジアム)
再三の好セーブで横浜M戦での無失点勝利に貢献したGK村上には昨年オフ、クラブからある打診があった。「1番をつけてはどうか」。多くのクラブで正守護神がつける背番号。福岡に16年間在籍した神山竜一さんもつけ、サポーターに絶大な人気を誇ったセランテスが引き継いだ伝統の番号だった。
それを村上は断った。「クラブが持つ1番の意味、重みは分かっている。ただ、僕はアビスパで、いいときも悪いときも、この番号とともにしてきた」。今季も2020年の加入時からの31を背負った。
同年はJ2だった福岡で主に控えGK。契約満了となったセランテスに代わり、J1に昇格した21年から正守護神になったが、J1初出場の開幕戦で2失点するなど開幕3戦で7失点。ネット上には村上を批判する書き込みもあった。
「嫌な思いはしたし、なにくそとも思った。でも、客観的に考えたらいい刺激。そういう声を結果を出して変えたいと」
あの開幕戦から1年。
J1リーグ戦出場は横浜M戦で51試合目になった。いつしかサポーターに「村神」と呼ばれるようになった堅守福岡の象徴にとって、この数字は通過点でしかない。(向吉三郎)