「ホークスけんか最強は藤本博史」説は本当!? 95年「東京ドーム連日の大乱闘劇」を振り返る

西日本スポーツ

 巨人との交流戦で久しぶりに東京ドームへ乗り込んだソフトバンク。同球場で戦うのは2019年10月23日の日本シリーズ第4戦以来2年半ぶりで、同年に3軍監督に就いた藤本博史監督にとっては、1軍打撃コーチを務めていた18年8月の日本ハム戦以来。初戦の試合前、久々のグラウンドでの思い出を問われた藤本監督は「あまりないね。乱闘シーンぐらいかな。日本ハムとの乱闘」と笑いながら答えた。

 藤本監督の脳裏に刻まれているのは福岡ダイエー時代の1995年9月、2試合連続で繰り広げられた大乱闘劇だろう。16日の第1ラウンドも17日の第2ラウンドも、暴れ狂ったのは日本ハムのロブ・デューシー。いずれも襲撃されたのは捕手の坊西浩嗣だ。

 まずは第1ラウンド。初回1死三塁での一ゴロで、デューシーが本塁に突っ込んだ。この時、無防備な坊西に激しくタックル。このラフプレーに激怒したのがケビン・ライマーだ。控えとしてベンチにいたが、猛ダッシュでデューシーにつかみかかった。結局、デューシー、ライマーともに退場処分を受けた。

 試合後、デューシーがライマーに謝罪をしたことで一件落着…と思われたが、翌日にもバトルが待っていた。これまた初回だ。ホークスの先発は藤井将雄で、デューシーは1番打者。その初球がいきなり腰を直撃した。前日の報復と受け取ったデューシーは、坊西の顔面にエルボーを数発。「こっちも退場覚悟でいきましたよ」と坊西も応戦し、すぐさま両軍総出の大炎上だ。当然、デューシーは退場。プロ野球史上初の2試合連続退場となった。

 デューシーが坊西を標的としたのには“伏線”があった。打席に立つ度、マスク越しに声を出すホークス捕手陣にいらだっていたのだ。「投手が投げる直前に『低くいこう』とか声をかけるのを、ゴルフのパット直前に大声を出されるのと同じように感じていたんだろうが…」とホークスの達川光男バッテリーコーチは顔をしかめた。

 ホークス側にも言い分はある。実は前日に乱闘劇がもう一つ。七回に小久保裕紀がキップ・グロスから、この試合2個目の死球をぶつけられ、大田卓司打撃コーチがグロスにつかみかかった。この時点で小久保が受けた12死球のうち4個が日本ハム投手陣によるもの。なおかつ小久保は日本ハムの主砲・田中幸雄と本塁打王を争っていた。「汚い。明らかに狙っている。グロスは制球の悪い投手じゃない」と憤る大田打撃コーチ。もちろん藤井のデューシーへの死球は報復ではなかっただろうが、ホークスナインにもうっぷんはたまっていたのだ。

 さて、藤本監督もこの両方に絡んでいる。第1ラウンドでデューシーが本塁突入した際に、一ゴロを処理したのがご本人。ライマーは「一塁の藤本がホームに送球していないのに、捕手にタックルにいくケースではない」と激怒した理由を明かしている。

 第2ラウンドでは乱闘の最前線で体を張った。「向こうはウチの4番打者(小久保)に4個もぶつけておいて」と憤慨。「もみ合いの最中に誰かの顔がぶつかった」と右手を痛めたが、1点リードで迎えた9回に勝負を決める10号ソロを左翼席に運んだ。

 当時、ナインの間で語られていたのが「ホークスのけんか最強は藤本博史」という説。図らずも、それをバットでも証明する結果となった?

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