空手フルコン少女がソフトボールで魅せるド根性 「九州を盛り上げたい」熊本生まれ20歳左腕の描く未来

西日本スポーツ

 女子ソフトボールの新リーグ「ニトリJDリーグ」が前半戦を終えた。九州から唯一参戦しているタカギ北九州(本拠地・北九州市)は4勝17敗で西地区最下位ながら、高卒3年目左腕の鹿野愛音(20)が台頭。空手で培った勝負根性で救世主になりつつある。

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 ポニーテールをなびかせ、鹿野は前半戦で2勝をマークした。好きな言葉の「本気」は、中学1年の途中まで続けていた空手仕込みだ。「気持ち次第で出せる力も変わる」。スポーツの部活をやりたくて、空手少女からソフトボーラーに転向しても「一対一」の心持ちで打者と対してきた。

 東地区との交流戦に入ってから存在感を発揮した。強豪のホンダを1-0で完封。昨夏の東京五輪でも活躍した藤田倭、内藤実穂、市口侑果ら6人の日本代表選手が打線に並ぶビックカメラ高崎には2-4で惜敗した。それでも東京五輪をテレビの前でずっと応援していたという鹿野にとっては「ドキドキ感」より「ワクワク感」の方が大きかった。

 「上野由岐子さんを初めて『生』で見ました。ジャパンの選手はオーラが違う。でも、こういう人たちを相手に投げられる世界に入ったんだと」

 2被弾のうち、藤田には低めのチェンジアップを捉えられた。「体勢を崩されながらパチーンと、まるでホークスの柳田悠岐選手みたいに持っていかれた」。脱帽しただけで終わらず、やり返したところに鹿野の魅力がある。「私の持ち味は速い真っすぐ。変化球で打たれるのは納得がいかないので」。次の打席では内角の真っすぐで空振りの三振に切って取った。

 飛躍を遂げるには、球種を増やし、精度も上げなければいけない。「試合に投げさせてもらったおかげで課題が分かった」。勝負根性の大切さも再認識させられた。「私がやっていた空手は形ではなく組手。蹴りや突きがあるフルコンタクトなので気持ちで負けるとやられる。ソフトボールも同じ。そういう意味での根性は絶対にあると思う」。火の国で生まれ育ったサウスポーは言い切った。

 「私が投げて活躍して九州をソフトボールで盛り上げたい」。夢ではなく、目標だ。周防灘に面した練習グラウンド。吹き付ける強風にも20歳の「本気」が揺らぐことはない。(西口憲一)

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 ◆鹿野愛音(しかの・あやね)2002年3月24日生まれ。熊本市出身。熊本市の田迎小では空手に打ち込み、九州大会でも「何回か優勝しています」。託麻中1年の途中からソフトボールを始めて、熊本商高では2年時に全国総体出場。20年にタカギ北九州入り。168センチ、63キロ。左投げ左打ち。

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