「勝ってみんなが救われる」かっこよすぎた中村晃の一振りとベンチ前での振る舞い

西日本スポーツ 小畑 大悟

 ◆西武2-3ソフトバンク(2日、ベルーナドーム)

 コロナ禍に直面する藤本ホークスが驚異的な粘りで逆転勝ちだ。活動休止を経て5日ぶりの試合。休止前の6月27日のロッテ戦からスタメンを大幅に組み替えて臨み、初回に今季初めて4番に座った柳田悠岐外野手(33)が先制の右犠飛。1点を追う9回2死二、三塁では中村晃外野手(32)が逆転の2点適時打を放った。一丸野球で西武の連勝を「5」で止め、ロッテに敗れた2位楽天との差を2・5ゲームに広げた。

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 みんなが笑顔になった。勝利は何よりの結束力を生む。新型コロナウイルスの影響による活動休止を経て、5日ぶりの試合となった西武戦。あと1球で敗戦という絶体絶命の危機から、中村晃が試合をひっくり返した。「内容どうこうよりも勝つことが大事。勝ってみんなが救われる部分がある。それが一番」とヒーローも笑った。

 1点を追う9回。守護神増田を攻め立てた。1死二、三塁から今宮の投ゴロで2死二、三塁となり、中村晃が打席に入った。2球で追い込まれた。「何とかという気持ち。それしかなかった」。フルカウントからのスライダーを中前に運んだ。三走柳田に続き、二走今宮も際どいタイミングに頭から突っ込んだ。「同点にはなったと思ったけど、(今宮)健太がよく走ってくれた。健太にありがとうですね」。自分だけの力ではなく、全員でもぎ取った。

 6月25日から1軍の選手・スタッフら計18人が新型コロナの陽性判定を受けた。チーム活動は一時休止で2試合が延期。満足な練習もできなかった。中村晃は「(活動は)最低限にして、なるべく家にいるようにしていた」。試合前日の7月1日も20分ほどペイペイドームで打撃練習をした後、ドーム周辺の百道浜をランニングした程度で東京に移動していた。プロ15年目でも「(試合への)入りはすごい不安だった」と心境を明かした。

 打線は主軸のグラシアルデスパイネに加え、正捕手の甲斐も欠いた。休止前、最後の6月27日のロッテ戦からは三森、周東の1、2番コンビ以外は並びが変わり、4番に今季初めて柳田が座った。試合勘が鈍り、暑いベルーナドームにも苦しんだ。中村晃は「体の重たさはあった。暑くてなおさらだったんでしょう」と証言。それでもチーム一丸で白星を追った。

 試合前、藤本監督は「出られないメンバーの分も今いるメンバーで頑張ろう」と選手たちに呼びかけた。その思いは伝わり、劇的な逆転勝ちを呼んだ。指揮官は「今日の勝ちは大きい。(中村)晃がよく打ってくれた」と絶賛した。5連勝中の西武を破り、パ・リーグ一番乗りで40勝到達。V奪還を目指して、力強く再始動した。(小畑大悟)

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