【コラム】「どこにチャンスが転がっているか分からない」プロ野球

西日本スポーツ

【コラム:好球筆打】

 藤本ホークスにとっての今季72試合目。シーズンは143試合制だから、ようやく半分を折り返したことになる。雨天中止やチーム内にまん延する新型コロナの影響もあって試合消化ペースはリーグ最遅だが、きっちり西武に連勝を決めて首位の座をキープした。

 チームの貯金もこれで11と、再び今季最多にあと1と迫った。「理想は貯金が2桁以上ある形で後半戦に入ること」。交流戦明け3カード目の日本ハム戦前、藤本監督は球宴までの星勘定を口にしていたが、もくろみ通りに進む展開に気分も上々といったところか。

 とはいえ、前半戦はまだ16試合も残す。最低でも勝率5割で乗り切らなければ指揮官の目指す「貯金2桁ターン」は実現不可能となるが、コロナ禍で盤石な布陣が組めない今、チームに求められるのは「コロナ特例」で1軍に登録される代替選手の意地だろうか。

 正直言って、該当選手たちは不本意な形での1軍昇格だったはずだ。ただ、王球団会長がよく言うように「どこにチャンスが転がっているか分からない」のがプロ野球の世界だ。与えられたチャンスをいかに生かせるか。それが結果的にチームのためにもなる。

 非常事態での戦いを強いられたこの2試合、打者では決勝打を放った中村晃や周東、投手では石川と常に試合に出続ける面々が主役を張ったが、その陰で「コロナ特例」による代替選手たちの地味な働きがあったことを忘れてはならない。

 真っ先に挙げられるのは、正捕手の甲斐に代わって2試合フルマスクをかぶった海野だろうか。初戦は立ち上がりから球数がかさんだ先発東浜を粘りのリード。この日は石川を1安打完封に導くなど“急造バッテリー”としてチームの連勝に大きく貢献した。

 一方、打者では初戦に8番一塁手として先発出場したプロ4年目の野村大だ。安打こそ放てなかったが、指揮官から「いい打撃をしていた。ある程度(試合で使える)めどが立った」と及第点を与えられていた。

 また、野村大に代わってこの日8番一塁手で先発出場した川瀬も先頭打者として3回に左前打でチャンスメークし、2点目のホームを踏む活躍を見せた。どこにチャンスが転がっているか分からない―。野球人生を大きく変えるチャンスとなれば、チームにとってもプラスでしかないだろう。生かさない手はない。(石田泰隆)

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