がん死の友へ誓う勝利 鹿児島情報高「良い報告したい」

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亡くなった東井上亮さんの写真を手にする鹿児島情報の選手たち

 「志半ばで倒れた友のため、最終日は全ての力を出し切ろう」-。金鷲旗高校柔道大会男子の部に出場した鹿児島情報(鹿児島市谷山中央)の3年生部員5人は、4回戦進出を決めた23日の試合を終え、あらためて誓い合った。昨年7月の金鷲旗大会直前、将来の五輪代表を夢見ていた元部員の東井上(ひがしいうえ)亮さんが16歳の若さで亡くなった。高校最後の団体戦に臨む5人は「一つでも多く勝って、あいつに良い報告をしたい」と意気込む。

 鹿児島県霧島市の小学校時代から親友だった冨森斗樹也(ときや)さん(18)は「小6の時、あいつが柔道を始めたから後を追った」と振り返る。五輪3連覇を達成した柔道家野村忠宏さんの「美しい背負い投げ」に共に憧れ、何度もビデオを見て研究した。五輪という高い目標のためには「まず金鷲旗で優勝を」と誓ったのが中学2年の夏だった。直後に東井上さんのあごにがんが見つかった。抗がん剤治療など1年以上の闘病生活の末に回復した東井上さんは、冨森さんらと同じ高校に入学。中学時代の柔道部仲間とも再会した。

 全国大会を目指して、東井上さんは仲間と同じメニューの練習をこなし、背負い投げの研究も続けていた。「闘病生活で失った時間を取り戻したい一心だったのでは」と冨森さん。だが、わずか数カ月後に股関節にがんの転移が見つかった。「必ずがんを治す」と見舞いに来た仲間に語っていた東井上さんだったが、昨夏、帰らぬ人となった。

 大会が迫った今月5日、5人は鹿児島県霧島市の東井上さんの実家を訪ね、仏前で健闘を誓った。高吉俊章主将(17)は「頑張り屋の亮が見ている。ふがいない試合だけはしない」と口元を引き締めた。

 ※金鷲旗高校柔道大会の動画はこちら

=2014/07/24付 西日本新聞朝刊=

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