最後の夏、6人の絆 3年ぶり優勝の筑紫台

大会前に作った四つ葉のクローバーのお守りを手にする部員たち。上段左から2人目が河野里穂さん=26日午後、福岡市博多区 拡大

大会前に作った四つ葉のクローバーのお守りを手にする部員たち。上段左から2人目が河野里穂さん=26日午後、福岡市博多区

 玉竜旗高校剣道大会で26日、3年ぶり4度目の優勝を果たした筑紫台(福岡)。6月の全国高校総体県予選で敗れ、全国総体、さらに7月の全九州大会の出場権を逃した。6人の3年生にとって高校生活の最後となった大会で、選手たちが絆を確かめ、勇気の源としたのは、四つ葉のクローバーのお守りだった。

 面を外した全員の目からは、涙があふれ出した。抱き合って歓喜を分かち合うと、3年生5人が応援席へ向かい「里穂っ! 里穂っ!」と叫んだ。河野里穂さん(3年)は目頭を真っ赤にさせ、階段を駆け下り歓喜の輪に加わった。

 6人の中で河野さんだけがメンバーから外れた。公式戦での出場経験はなし。それでも「気持ちはいつも、選手と同じだった」。

 中学3年の6月、新潟県の道場に武者修行に出かけた。そこで出会ったのが、剣道部寮の寮長を務める同県出身の小川萌々香選手(3年)。「一緒に日本一になろう」と約束。2人は筑紫台進学を決断した。

 7月中旬、玉竜旗への決意を6人で確認しようと大宰府政庁跡(福岡県太宰府市)に出かけた。偶然、1人が四つ葉のクローバーを見つけた。探し始めると何と6枚。1週間かけ、色とりどりの台紙を使いラミネート加工した。一つだけ見つけた六つ葉のクローバーは金色の台紙で加工し金森靖二監督(48)に贈った。

 試合中、選手は胴着の名札の中に、河野さんはポケットの中に“お守り”を忍ばせた。「里穂を日本一にしたかった」。小川選手の胸には、あの約束がずっとあった。「果たせてよかった」とクローバーを見つめた。

 チームの思いが一つになりつかんだ日本一に、河野さんは「このメンバーでよかった」と笑った。四つ葉のクローバーは玉竜旗と同じように輝いて見えた。

 ※玉竜旗高校剣道大会の動画はこちら

=2014/07/27付 西日本新聞朝刊=

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