「全力尽くした。胸を張れ」 日南学園、初戦敗退

5回の反撃で喜びに沸く日南学園の応援団 拡大

5回の反撃で喜びに沸く日南学園の応援団

 第96回全国高校野球選手権大会で12日、宮崎県代表の日南学園は東邦(愛知)と対戦し、3-11で敗れた。5点を追う五回、3点を返し、終盤にも好機をつくったが、あと1本が出なかった。しかし最後まであきらめずに戦ったナインに、一塁側アルプス席を埋めた応援団から惜しみない拍手が送られた。

 雨の影響で試合開始は約30分遅れた。先発する横川楓薫投手(3年)の投球練習を見ながら、母親の朋美さん(43)は「全力で投げて」とエール。初回に先制点を許すと「緊張している。でも試合はこれから」。

 二回、無死満塁のピンチを迎える。ここでマウンドに上がったのは柳悠聖投手(3年)。「ビシッと抑えろ」。父親の尚さん(47)は思わず叫ぶ。140キロを超す直球で強気に攻め、相手打者をねじ伏せる。1失点に抑え「ハートが強い」と尚さんは笑顔。序盤で5点を追う展開にも応援団の熱気は下がらない。

 五回、先頭の9番新谷塁三塁手(3年)と1番椨木翔中堅手(同)が連続安打を放つと、柳投手がバントを確実に決め、1死二、三塁の好機に。ここで3番田久見大地一塁手(同)が右前2点適時打を放つと、割れんばかりの大歓声がスタンドを包んだ。田久見一塁手の母親初美さん(46)は「ナイスバッティング。さあ、これからよ」とメガホンを持つ手に力が入る。続く4番萩原聖翔捕手(同)も適時二塁打を放ち2点差。流れが傾き掛けた。

 だが、その直後に4本の長短打で3点を奪われた。夏16回目の出場となる強豪の底力に静まる応援団。そんななか、「まだまだだよー。最後まであきらめないで」。日南学園3年の二見あすかさん(17)は声を張り上げた。

 7点を追う八回、先頭の田久見一塁手が左中間に二塁打を放つ。しかし、後続が続かない。2001年夏の甲子園に出場し、都内から駆けつけた会社員安田玲皇さん(31)は「日南は伝統的に打撃のチーム。絶対に反撃するはずだ」とナインを信じる。

 九回2死、打席には2安打を放っている新谷三塁手。「いけー」。総立ちになって声をからす一塁側アルプス席。だが、遊ゴロで試合終了。あちこちですすり泣く声が聞こえたが、応援団長の萩迫将太さん(17)はぐっと涙をこらえて言った。「選手は全力を尽くした。胸を張って宮崎に帰ろう」

=2014/08/13付 西日本新聞朝刊=

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