佐賀北、粘り野球貫く 観客席の拍手鳴りやまず

初戦で敗れ、甲子園の土を集める佐賀北の選手たち=甲子園球場 拡大

初戦で敗れ、甲子園の土を集める佐賀北の選手たち=甲子園球場

 第96回全国高校野球選手権大会で13日、2年ぶり4回目の出場となった県代表の佐賀北は初出場の利府(宮城)と対戦し、2-4で惜しくも敗れた。持ち味の粘りで最終回に満塁の好機をつくるなど最後まで諦めずに戦った佐賀北ナイン。一塁側アルプス席を埋めた応援団から惜しみない拍手がいつまでも続いた。

 スクールカラーの緑色のTシャツを着た保護者や生徒、卒業生などで埋まったアルプス席。試合開始前から選手の応援歌が飛び出した。そんな中、手を合わせていたのは、先発する横尾龍投手(3年)の母親恵さん(45)。「泣き虫だった子が甲子園で投げるなんて夢みたい。一生懸命、頑張って」。初回、無失点に抑えると「ホッとした」とようやく笑顔を浮かべた。

 試合が動いたのは五回。4本の長短打を浴び、2点を先行される。なおも続くピンチ。ここでマウンドに上がったのは背番号1の福井一朗投手(3年)。140キロを超す直球で相手をねじ伏せ、追加点を許さない。「ヨシッ」と拳を握る父親の浄さん(50)は「頼もしい」と誇らしげ。

 佐賀北の反撃は直後の六回。1死一、二塁から重盗を決め好機を広げる。思いもよらない百崎敏克監督の采配にスタンドの熱気は最高潮に。内野ゴロの間に1点を加えた後、代打で登場したのは、甲子園入り後、「絶好調」と繰り返していた松尾直樹選手(3年)。右中間を破る適時二塁打で、試合を振り出しに戻した。母親の直子さん(45)は「ぜんそくで小3まで夜通しうなっていた直樹が、こんな大舞台で大仕事をするなんて」と泣きながら拍手を送った。

 流れは完全に佐賀北。そう誰もが信じた。だが直後に2点を失う。静まるスタンドで、3年の望月優菜恵さん(17)は「佐賀北は劣勢になってからいつも強い。まだまだこれから」と声を上げる。

 2点を追う九回。選手もスタンドも諦めない。9番池上統馬遊撃手(3年)などの安打で2死満塁。一打逆転の好機に涙を流しながら、声を張り上げる応援団。打席には「ウオー」と叫んで気合いを入れる島剣太二塁手(3年)。2球目、引っ張った打球は三塁へ。一塁への必死のヘッドスライディングも及ばず、粘りの佐賀北がついに力尽きた。島選手の母親恵美子さん(44)は、泥だらけのユニホーム姿で泣きじゃくる息子を見ながらつぶやいた。「よく頑張ったね。最後まで佐賀北野球を見せてくれてありがとう。本当にお疲れさま」

=2014/08/14付 西日本新聞朝刊=

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